べ、別に更新するのを忘れてたわけじゃないんだからね!
「アベックはいねーがー」
「居ませんよ」
安達家の居間にて。
相変わらずナンパが成功しないフェリータさんが何か言ってエルテさんに冷静に切り返されています。
「嘘だ!? あの猫娘とキザ男コンビは!?」
「夕飯までには帰ってくるそうです」
「健全!?」
嫉妬全開で因縁つけようと思ったら予想以上に清い関係で驚愕するフェリータさん。
ちなみに例の呪いについてはリィンベルさんも今のローマンさんなら大丈夫かと解呪しようとしたのですが、ローマンさんが家元に帰るまでは戒めが欲しいとのことでそのままにしています。
ローマンさんが最近自重しすぎててこのままではただのイケメンになってしまいます爆発しろ。
「まあまあ。今日はアダチも早めに帰ってくるらしいのでクリスマスパーティーとやらを楽しみましょう」
「アンタだってお一人様のくせに何その余裕」
「私はまだ焦るような歳ではありませんし」
「エルフは成人してからが長いからのう」
そしてこちらはその手のことには興味がないらしいイネルティアさんと、子供どころか玄孫あたりまでいるリィンベルさん。
ちなみにそのリィンベルさんの子孫たちは特に歪むことなく普通に育ったので、ヘタレリーダー率いる反乱には参加せずアスカさんの村にも連行されていません。
コメディ作品で普通な人間はつっこみ以外の出番が少なくなるからね。仕方ないね。
「というかヤヨイさん結局返事したんですか?」
「向こうの世界に戻るまで正式な答えは待ってくれと保留したらしいぞ」
「それはそれでローマンさんが可哀想ですね」
日本が平和過ぎるせいでその戦闘力を生かす機会がなくヘタレな印象ばかり強くなるヤヨイさんの明日はどっちだ。
今日も日本は平和です。
・
・
・
一方高天原。
「兄貴。今年もクリスマスで酒が飲めるぞ」
「だから年がら年中理由付けて飲んでるしょう貴方は」
一升瓶とコップを持って絡んでくるスサノオ様と呆れた様子のツクヨミ様。
例によってクリスマスを口実にして日本中から神々が集まって酒盛りが始まっています。
そしていつも通り電飾持ったタケミカヅチ様と自力で発光するアマテラス様がどちらがよりクリスマスな神かと競い合っています。
文章に起こしていて意味が分かりません。
「というか兄貴も月の神だから光れるんじゃないのか?」
「光れますが私にあの争いに参加しろと?」
「かってえなー。たまには羽目を外せよ」
「貴方は外し過ぎです」
背中をバンバン叩くスサノオ様とそれを気にした様子もなくお猪口に口をつけるツクヨミ様。
会話だけ見ると性格が合わないようにも見えますが、やはりそれほど仲は悪くないようです。
「あ、タケミカヅチの電飾が吹っ飛んで燃えた」
「ちょっと行ってきますね」
「おう。ほどほどにな」
どうやら自重できなかったらしいタケミカヅチ様がボヤを起こしているのを見て笑顔でその場を離れるツクヨミ様と大人しく見送るスサノオ様。
向かう先ではタケミカヅチ様が慌てて砕け散った電飾を回収し、ツクヨミ様の笑顔に気付いたアマテラス様が自分に向けられたものではないと分かりつつもガクブルしています。
今日も高天原は平和です。