廊下に置いてあった観葉植物全滅
「ヤヨイさん肉とか魚食べずに生活できますか?」
「いきなりなんでござるかその死刑宣告」
安達家のリビングにて。
最近冷え込んできた空気から身を守るようにこたつに入り縮こまっていたエルテさんがいきなり何か言い出したので、みかんの皮を剥く手を止めてつっこむヤヨイさん。
ちなみに二人の間ではリィンベルさんが湯呑でほうじ茶をすすっています。
「拙者半分猫でござるよ。半分肉食動物なのでござるよ。故に人の2倍は肉を食わねばならぬでござる」
「何ですかその合ってるようで間違った計算」
何やら神妙な顔で言ってるヤヨイさん。
でも実際猫は雑食と見せかけて完全な肉食動物なので、巷の一部で流行ってるようなヴィーガンキャットフードとか食べさせても栄養足りないので気をつけましょう。
猫草というものもありますが、何故猫が草を食べるのかについては諸説あり完全には解明されていなかったりします。
ちなみにライオンも特に必要ないはずなのに雑草を食べることが分かっています。
やはりライオンはでっかい猫。
「しかし何故いきなり菜食主義な話に?」
「リィンベルさんのスタイルがいいのは実は肉も魚も食べないせいなのかと思って」
「わしかよ」
まさか自分に話が飛ぶとは思っておらす湯呑もったまま驚くリィンベルさん。
そして本人が横に居るのにあっさり話題にあげるあたりエルテさん無駄に度胸があります。
「最初から肉食えんわしと比べてどうするんじゃ。そもそもわしら肉食っても効率よく消化できんぞ多分」
「えー。やっぱり消化器官とか人間と違うんですか」
「そうでないとイネルティアの太りっぷりが説明つかんじゃろう」
「確かに」
「酷い言い草でござるな」
リィンベルさんの説明に納得するエルテさんと呆れるヤヨイさん。
イネルティアさんの太りっぷりについては単に食べすぎなせいだと思われますが、今は痩せているのでこれ以上の死体蹴りはやめてさしあげろ。
「大体育ち盛りなんじゃからいらんこと考えずに食っとけ。横に伸びる心配よりも縦に伸びん心配をせい」
「確かに」
「今拙者のどこ見やがったでござるかエルテ殿」
育ち盛りで食っちゃ寝してるヤヨイさんを見て何かに納得するエルテさんとつっこむヤヨイさん。
今日も日本は平和です。
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一方高天原。
「え? 猫って草食べるの?」
「食べますよ」
猫の意外な食生活に驚くアマテラス様と肯定するツクヨミ様。
今日のぶちは機嫌がいいらしくツクヨミ様の足の上で丸まって寝ています。
「消化を助けるためか毛玉を吐くため。あとはビタミンを補給するためだとか色々言われていますね。ビタミン補給についてはその辺りも考えられているキャットフードを与えられている飼い猫も食べるので可能性は低そうですが」
「あーたまに『けっぽん』って吐いてる」
「何ですかその擬音」
どうやらぶちが毛玉を吐くのを目撃したことがあるらしく納得するアマテラス様。
ちなみに毛玉を吐けずに体調を悪くする場合もあるので、なるべく毛玉ができないようにブラッシングやシャンプーはこまめにしてあげましょう。
「え、じゃあぶちもブラッシングとかしてあげた方がいいの?」
「私がたまにやってあげてますが」
「そういうとこ!? そういうことするからぶちが私じゃなくてツクヨミに懐くんじゃん!?」
「だって姉上すぐ飽きるでしょう」
「うん!」
「そこは否定してくださいよ」
自分の言葉に胸を張って応えるアマテラス様に呆れるツクヨミ様。
ちなみに猫をシャンプーするのは個体によっては修羅場になることがあるので覚悟しておきましょう。
今日も高天原は平和です。