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水だけ飲んでも熱中症になるって言ってんだろ!?

「そろそろフェリータ殿が干からびる季節でござるな」

「私最近干からびてないもん!?」


 かき氷(いちご)を食べながら思い出したように言うヤヨイさんに、同じくかき氷(メロン)を食べながら抗議するフェリータさん。

 現在リビングにはきっちり冷房が効いているので両者外に居る時とは比べ物にならないほど元気です。


「そういえば体の周りに冷気を纏う魔術を作ればいいという話はどうなったんですか?」

「24時間くらいならともかく十日とか一ヶ月も発動させ続けるとか無理」

「いや夜は流石に切りましょうよ」

「この連日熱帯夜が続く中で夜はやめろとか鬼でござるか!?」

「何でヤヨイさんが反応してるんですか!?」


 エルテさんの指摘にむしろここ数年熱帯夜じゃない日の方が珍しいと横からぶちギレるヤヨイさん。

 そもそも家にいるときはエアコンあるんだから魔術はなくてもいい気がしますが、エアコンと扇風機を併用すればもっと涼しいからつい使っちゃうようなものだと思われます。


「というかヤヨイさんも使ってるんですか?」

「……使えたらよかったのでござるが」

「え、ヤヨイさん精霊魔術は得意なんじゃって……ああ」


 そういえばヤヨイさんは水属性の精霊と相性が悪いというのを思い出し、憐れむような視線を向けるエルテさん。

 異世界の魔術は冷属性も水精霊の管轄だから仕方ありません。


「でも猫って涼しい場所探すの得意なんじゃないんですか?」

「街中で涼しい場所なんて冷房効いてる部屋だけに決まってるでござる」

「いやそれはそうですけど」


 猫としての本能をばっさり切り捨てるヤヨイさん。

 ちなみに野良猫たちのためにグラウゼさんが何ヶ所か給水ポイントを作っていたりと、配下の猫たちへの過保護が着実に加速しています。


「フッ。これだから猫娘は」

「うるさいでござる魚女」

「ちょっと仲良くしてくださいよー」


 かき氷をしゃりしゃり食べながらガンつけあう二人と呆れながらもなだめにかかる安達家最年少。

 今日も日本は平和です。



 一方高天原。


「最近太陽調子乗りすぎじゃない?」

「自分が何の神だか覚えてますか?」


 のっけから畳の上に身を投げ出し、己の存在意義も投げ出しかけているアマテラス様とつっこむツクヨミ様。

 毎年の恒例行事なので深く考えてはいけません。


「でも流石に暑すぎるって。溶けるって」

「太陽は最初から溶けているでしょう」

「じゃあ爆発する」

「『じゃあ』で世界を滅ぼさないでください」


 相変わらず暑くなると言動が投げやりになるアマテラス様。

 暑くなくても割とフリーダムだったようにも思えますがきっと気のせいです。


「あーっもう。プールにでも一日中つかってたい」

「プールに入っていても熱中症にはなりますよ」

「マジで!?」


 まさかな情報にがばりと起き上がり驚愕するアマテラス様。

 水の中に入っていると気付きにくいですが、汗はしっかりとかきますし水温によっては体温が下がらなくなるので普通に熱中症にはなります。

 水遊びをしていても油断せず水分補給はしっかりしましょう。


「うええー、じゃあどうすればいいの」

「水分と栄養しっかりとって体を冷やすようにすればいいんですよ」

「よし。太陽凍らせよう」

「だから何故極端から極端へ走るんですか」


 握りこぶしで間違った決意をするアマテラス様と呆れるツクヨミ様。

 今日も高天原は平和です。

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