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ちょっと川の様子見てくる

「……あついでござる」


 のっけから安達家の居間でTシャツ半ズボンになり窓辺で転がっているヤヨイさん。

 全力で猫ってます。


「まだそんなに暑くないと思うんですけど。というかローマンさんに見られていいんですかそんな恰好」

「暑いよりはマシでござる」

「……」


 寝転がったままキリッとした顔で言うヤヨイさんにやっぱりこの家残念な人しか居ねえと再確認するエルテさん。

 ちなみに少し離れたリビングの床では安定のローマンさんが目を押さえて転がり回っています。


 既にほぼ両思いだというのに発動する呪い。

 このままでは二人の関係が次の段階へ移ることができません。


「まあ台風が来てますからしばらくはまた雨らしいですけど」

「涼しくなるのはいいでござるが台風は嫌でござるな」


 台風、ハリケーン、サイクロンと様々な名前がある強力な熱帯低気圧ですが、それらの名前は単純な言語の違いというだけでなく、規模や発生地域の違いなどによって呼び分けられています。

 なので仮にハリケーンが発生した後に日本に来るなんてウルトラCな軌道を描いたとしても、発生場所が変わったのでハリケーンではなく台風になります。

 なんでそんな面倒くさい呼び分け方をしているのかというと、私にも分からん。


「というかそんなに暑いならエアコンつければいいんじゃないですか?」

「いや、エアコンつけるほど暑くはないというか、微妙に温度下げるくらいなら風を感じていた方がマシというか。分からないでござるかこの微妙な境界線」

「分かりません」


 ぐでったまま自分でも分かっていないであろうぐだぐだな説明をするヤヨイさんとばっさり切り捨てるエルテさん。

 今日も日本は平和です。



 一方高天原。


「……スサノオの季節か」

「嫌な言い方しないでください」


 何故か悟ったような目で外を見ながら呟くアマテラス様とつっこむツクヨミ様。


 太陽と月という分かりやすい神格を持つ姉兄と違ってイマイチよく分からんスサノオ様ですが「すさ」は「荒れ荒ぶ」という意味であり嵐の神であるとする説もあります。

 そのためスサノオ様の高天原での暴虐は嵐の神として暴風雨の被害を表したものだとする場合もありますが、仮にそうでも実際に被害被ったアマテラス様には何の救いにもなりません。


「……スサノオに蹂躙されるミズハっち」

「いや、いろんな意味で危ない発言しないでくださいよ」

「というか私むしろ一緒に暴れる側だし、蹂躙されたのアンタと高天原でしょうが」


 想像したら絵面がヤバいことを言い出すアマテラス様につっこむツクヨミ様とミズハノメ様。

 ちなみにこの作品が書籍化されるさいにスサノオ様にいじめられるアマテラス様のイラストも描いていただきましたが、編集の人にすら「予想以上にヤバいですね」と言われるくらいヤバかったのは言うまでもありません。


「私隠れただけで蹂躙はされてないもん!」

「まあ嵐で太陽が隠れると考えれば順当ではありますが」

「それを言うならアンタも嵐には隠されるじゃない」

「私は見えても見えてなくても大差ありませんしー」

「似合わない拗ね方すんな」


 実は根に持ってたツクヨミ様と軽く小突いて叱るミズハノメ様。

 今日も高天原は平和です。

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