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異世界召喚が多すぎて女神様がぶちギレました【連載版】  作者: 湯立向日/ガタガタ震えて立ち向かう


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台風で家の前の道が川になる

 梅雨。

 春から夏にかけての雨が多い季節のことですが、実は梅雨というのは日本や中国の一部を始めとした東アジア独特の季節区分だったりします。

 日本の場合は秋にも雨が多い時期があるため、梅雨と秋雨を春夏秋冬に加えて六季とする場合もあります。


「雨やみませんねー」


 安達家のリビングにて。ソファーのひじかけにだらんともたれながら、窓の外でしとしとと降りしきる雨を眺めて呟くエルテさん。


「梅雨でござるからなー」


 一方同じソファーに座りながら、何やらナイフで木を削って人形を作っているヤヨイさん。

 アウトドア派なのに外に出られないので珍しくインドアな趣味に手を出しているようです。

 テーブルの上には学校でわざわざ買わされるのに滅多に使わない彫刻刀が置かれていたりと結構本格的です。


「そういえば日本では猫が顔を洗うと雨が降るっていうらしいですよ」

「遠回しに拙者に顔を洗うなといってるでござるかそれは」


 燕が低く飛ぶのと並んで有名な雨に関する迷信ですが、実はどちらも雨が降りそうになり湿度が上がったためにそういう行動に出るのではないかという一応科学的な根拠もあったりします。

 言い伝えというのは古来からの人々の経験則によるものもあるので馬鹿にできません。


「それに降るときは降ってくれないとお百姓さんが困るでござるからな。こればかりは人間の都合でどうこうできるものではござらぬ」

「それはそうですけど」


 人為的に雨を降らせる技術の研究は続けられていますが、現時点では雨量を数割増やす程度と限界のある技術となっています。

 20世紀初頭のアメリカには人工的に雨を降らせることを生業にしていた男性も居たのですが、ある時雨を降らせたはいいがその後雨を止ませることができず大きな災害となってしまい、その技術を封印してしまったので具体的にどのような方法をとっていたのかは謎に包まれています。


「まあ長い人生たまにはのんびり過ごすのもいいものでござるよ」

「まあ梅雨が明けたら夏ですもんね」

「夏とかすっとばして梅雨続けでござる」

「日本が沈みますよそれ」


 暑いのが嫌なあまり日本沈没を願うヤヨイさんとつっこむエルテさん。

 今日も日本は平和です。


・

・

・


 一方高天原。


「でもミズハっちって言うほど名前知られてないし地味だよね」

「その喧嘩買った」


 いきなり姉に喧嘩を売る主神と結構好戦的な水の神。

 むしろ時には大災害に繋がるのが水というものなので当然とも言えます。


 しかしあまり名前が知られていないミズハノメ様ですが、実は最近世界的にも有名になった入れ替わり系アニメ映画のヒロインの名前はミズハノメ様からとられていたりします。

 やったねミズハノメ様世界展開だ☆


「まあ水の神自体はミズハノメ様以外にもいますし、大きな逸話があるわけでもないので名が知られていないのは仕方ないでしょう。むしろ変な話が伝わるよりマシなのでは」

「確かに」

「何でこっち見て頷くの!?」


 ツクヨミ様のフォローを聞き、主神なのにちょっと情けないエピソードが伝わってるアマテラス様を見ながら納得するミズハノメ様。

 でもスサノオ様が高天原にやってきたときは、男装した上で完全武装なフルアーマーアマテラス様を見てビビったという話もあるのでやるときはやります。多分。


「ふーんだ。いいもん。悪名は無名に勝るって言うし!」

「悪名とはまた違うでしょうアンタたちの兄姉弟喧嘩は」

「といいますか、姉上は仮にも主神なのですからわざわざ悪名広げなくても名は知られているでしょう」


 拗ねて開き直るアマテラス様へ姉と弟からの呆れ半分のつっこみ。

 今日も高天原は平和です。

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