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異世界召喚が多すぎて女神様がぶちギレました【連載版】  作者: 湯立向日/ガタガタ震えて立ち向かう


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カーチャン……

「そういえば今日は母の日というものらしいですね」


 安達家の居間にて。休日だというのに珍しく外出もせずゴロゴロしていた学生四人組の一人であるエルテさんが、クラスメイトたちが話していたことを思い出し言いました。


「母の日でござるか。中々興味深い行事ではござるが、こちらには母上はいないでござるからなあ」

「そうですねえ。幸い向こうで元気にやっているそうですが」


 エルテさんの言葉に異世界に遺してきた母を思い出し、懐かしむように目を細めるヤヨイさんとシーナさん。


「……母上ですか」


 一方異世界に遺した母を思い微妙な顔をしているローマンさん。


「ローマンさんお母さんと仲悪いんですか?」

「いえ。私は悪くないのですが、今振り返れば父上と母上の仲は微妙だった気がしまして」

「何で振り返って今更そんな重大な事実に気付くでござるか」


 少し悩みながら言うローマンさんに呆れながら返すヤヨイさん。

 それも仕方ないというか、ローマンさんのお父さんであるデンケンさんは実際妻とは微妙な仲だったのですが、あの通りの狸だったので子供にそれを悟らせるようなことがなかったのです。

 逆に言えばそれに気付けるまでにローマンさんが成長しているとも言えます。


「こちらの世界で私たちのお母さんって言えばやはりシーナさんですよね」

「あら? 私はそんな歳じゃありませんよ。どちらかというとリィンベルさんじゃないですか?」

「いやアレは祖母殿でござろう」

「お婆ちゃんですよね」

「お婆様ですね」


 シーナさんの言葉に満場一致でリィンベルさんをBBA認定する残りの三人。

 ここでBBA呼ばわりしても何も起こらないあたり、リィンベルさんもなんだかんだ言って子供達には甘いことが分かります。

 ただしローマン。てめえは駄目だ、


「うごあぁっ!?」

「まあそれでも母の日にかこつけてリィンベル殿に日頃の感謝を伝えるのはいいかもしれないでござるな」

「そうですね」

「何かお菓子でも作りましょうか」

 唐突にテーブルの脚に足の指をぶつけて悶絶するローマンさんと、それをスルーして話し合う女子三人。

 今日も日本は平和です。



 一方高天原。


「……お母さんにお花送ったら生気吸い取られて枯れそう」

「どっから拾ってきたんですかそんなイメージ」


 イザナミ様に渡そうと用意したフラワーアレンジメントを眺めながら言うアマテラス様と、呆れたようにつっこむツクヨミ様。

 黄泉のいざこざのせいでアンデッド扱いされることもあるイザナミ様ですが、どっかの宇宙吸血鬼みたいに生気吸い取ったりはしません。


「まあ母上も花を贈られれば喜ぶのではないでしょうか。桃の花でなければ」

「あー、お父さんが逃げるときに投げつけたのが桃なんだっけ?」

「転じて厄払いの効果があるとされています」


 ちなみに投げつけた桃は黄泉の入口に生えていたものであり、そこに辿り着くまでは筍や葡萄を投げつけてそれを鬼が食べている内に逃げています。

 食べ物を粗末にしてはいけないからね。仕方ないね。


「ん? それツクヨミ遠回しにお母さんが厄だって言ってない?」

「……なんて酷いことを考えるんですか姉上」

「何その今まで見たことのないショック受けた顔!?」


 迫真の演技で姉に罪をなすりつける安定の鬼畜。

 今日も高天原は平和です。

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