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異世界召喚が多すぎて女神様がぶちギレました【連載版】  作者: 湯立向日/ガタガタ震えて立ち向かう


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機嫌の悪いお猫様に逆らってはいけない

「ナンパが成功しない」


 冒頭から何か言ってるのは、残念系人魚なフェリータさんです。

 普段みんなが夕食を取っているテーブルに両手をつき、さも深刻そうに議題を提出しています。


「……グラウゼ殿。最近魔力を纏った猫をよく見かけるでござるが、過保護すぎやしないでござるか?」

「何がだ。奴らは私の使い魔であり配下も同然だ。守護するのは当然だろう」

「無視しないでよ!?」

「暴れるな倒れる!?」


 コーヒードリップしてたグラウゼさんと隣で頬杖ついてついでに淹れてもらってたヤヨイさん。

 どうやら戯言は聞かなかったことにしたらしいですが、流石に目の前で両手バタバタされたら反応せざるを得ません。


「で、貴様の無駄な努力がどうした」

「無駄って言った!?」

「いやアレは無駄でござろう。一度見かけたがきょどりすぎの吃りすぎで完璧に不審者でござった」

「ふしっ!?」


 グラウゼさんの言いように抗議したフェリータさんでしたが、ヤヨイさんにも一刀両断され即座に反論できません。


「だ、だって恥ずかしいんだもん!?」

「逆ナンしといて何をほざくかこの小娘は」

「本当に見た目だけはいいのでござるが」


 涙目で顔を隠しながら言うフェリータさんに、呆れた目を向ける吸血鬼と猫娘。

 ちなみにフェリータさんの不審者っぷりを気にせずむしろ都合良しと悪いことしようとした輩も居ましたが、グラウゼさんが見張りにつけていた猫に襲われて退散しました。

 猫ごときに追い払われるとか情けないと思われるかもしれませんが、マジギレした猫には割とマジで普通の人間では勝てません。

 何であんな短い爪で肉がサックリ切れるんですか!?


「というかフェリータ殿は何ゆえそれほど必死なのでござるか? 結婚を焦るような歳でもなかろうに」

「だ、だって他の同い歳の子がみんな……」

「いや……何かすまないでござる」


 焦るような歳でもないと思ったらどうやら焦る歳だったらしく、素直に謝るヤヨイさん。

 ちなみに同い歳の中にはディレットさんもいるのですが、色気より食い気な上にちゃっかり腐れ縁状態の男性をゲットしています。


「くだらん。どうせ人魚と一緒に暮らす酔狂な他種族の男など居ないのだから、種をもらえば終わりだろう」

「女子の前で生々しい発言は控えてほしいでござる親父殿」

「誰が親父殿だ」

「そうよ! それが嫌だから私人間と一緒に暮らせるように魔術の勉強頑張ったのよ!」

「……は?」

「どうしたでござる?」


 フェリータさんの発言に淹れ終わったコーヒー片手に固まるグラウゼさんと、それを見て不思議そうに首を傾げるヤヨイさん。


「ちょっと待て。貴様まさかそのためだけに魔術の腕をあげたのか?」

「もちろん! 他に理由なんてないもん」

「……」


 珍しく自信満々に言うフェリータさんに対し、唖然とした様子のグラウゼさん。

 どうやら何かが砕けたようです。


「まさか……フェリータ殿の方がグラウゼ殿より魔術師としては格上なのでござるか?」

「……総合的には私が上だ」

「いやそれ負け認めてるでござる」

「えっへん!」


 苦々し気に言うグラウゼさんと、ここぞとばかりに胸をはるフェリータさん。

 この後散々グラウゼさんにいじめられたのは言うまでもありません。


 今日も日本は平和です。

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