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異世界召喚が多すぎて女神様がぶちギレました【連載版】  作者: 湯立向日/ガタガタ震えて立ち向かう


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ダークエルフは豊満だという風潮

 ダークエルフ。

 なんかよく分かんないけど闇属性のエルフだとか悪のエルフだとか思われがちなダークエルフですが、そもそもダークエルフなんて種族自体が創作物に登場するようになったのがつい最近だったりします。


 恐らくダークエルフっぽい存在で一番古いのは北欧神話に出てくる闇のエルフですが、その言葉が意味するのは地下に住んでる妖精的な何かのことであり、要するにドワーフ(ドヴェルグ)のことです。

 オグニルさんとリィンベルさんは同種族だった……?


 ついでにエルフの敵対者という位置にはオークが納まることが多く、オーク自体がエルフの紛い物と呼ばれる場合もあります。


 つまりオグニルさん=太ったイネルティアさん=リィンベルさん。

 こうしてファンタジー世界に新たな解釈と世界観が生まれていくのです。


「そう言われてものう。実際わしはこうして存在しておるわけじゃし」


 アンタの種族最近作られたらしいよと言われ、座椅子にもたれかかり胡乱な目をしながら言うリィンベルさん。

 むしろ本人が四桁生きてる疑惑のある、もっと昔から日本に来ていたら間違いなく現人神扱いされていたであろう生きる神話です。


「大体なんじゃその悪のエルフとかいう解釈は。道理で最初日本に来たとき一部の人間のわしを見る目に警戒心があったと……」

「一部なんですか?」


 こちらの世界でのダークエルフのイメージを聞くに、一部で済むのだろうかと首を傾げるエルテさん。

 そんなエルテさんに、リィンベルさんは何故か呆れたような顔をして言いました。


「大多数はわしの耳に注目して中身なんぞどうでもよさそうじゃった」

「なるほど」


 そう言いながら耳をピコピコ動かすリィンベルさんに深く納得して見せるエルテさん。

 このままでは日本人の性癖が異世界人に誤解されてしまいます。

 みんなで声を上げて否定しなければなりません。


 ――エルフ耳萌え!


「まったく。リィンベル様を捕まえて悪のエルフなどと無礼極まりない」


 そう言って怒りながらもきな粉饅頭を食べて緑茶を幸せそうに飲むイネルティアさん。

 どうやらオークに逆戻りする日は近いようです。


「大体リィンベル様も王族エルフなのですから、他の貴人の方々と同じ扱いを求めるべきでは?」

「他の貴人と扱い大差ないじゃろうこの家」


 むしろ王女様が家事をしている現状を知られたら、国元から抗議が来るのではないでしょうか。

 主にシスコンの王様から。


「大体わしらが大陸の支配権握っておったのどれだけ昔だと思っとるんじゃ。わし以外に生きとるやつおらんぞ」

「それ別の意味で重要じゃないですかリィンベルさんの存在」


 古エルフ王国の生き証人まさかの日本へ流出。

 異世界の歴史家あたりが知ったら菓子折りもって次元の壁に突撃してくるかもしれません。


「そういう輩は結界はっておったから来たことがなかったの。昔は外敵から身を守るためで、最近は他の血気盛んな同族を外に出さぬために展開しておったんじゃが」

「ああ、迷いの森になってたのそのせいなんですね。……じゃあリィンベルさん居なくなった今なら行き来し放題なんじゃ?」

「ああ、大丈夫じゃろ」


 ダークエルフと人間が出会ってしまう可能性に気付き、それって不味いのではと心配するエルテさん。

 しかしそんなエルテさんの危惧も気にせず、手をひらひらと振るリィンベルさん。


「今の時代にエルフと敵対しとったことなど覚えとる人間は居らんし、当事者でもないのに覚えとる若い連中は実際に人間が近づいてきたら逃げ惑う」

「熊ですか」


 人間より遥かに強いにもかかわらずちょっと近づいたら逃げる。

 ちなみに熊でも人間のものを食べたことがあったり、距離が近すぎてパニクッた場合はむしろ襲ってくるので不必要に刺激するのはやめましょう。

 今日も日本は平和です。

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