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この作品の八割はネタとノリで出来ています

「さて。馬鹿共も落ち着いたことだし本題に入るぞ」


 ドワーフ王国にて行われている対日本会議。

 魔王様の登場により混乱から明後日の方向へ飛んだ話題を修正すべく、王妃様がかぶっていた猫を脱いでテーブルをダンと叩き宣言します。

 テーブル叩いた音に反応して王様がちょっとビクッとしてます。でも他国の目があるので表面的には平静を装う流石の王族根性です。

 もっともガルディアの王様が王妃様の尻にしかれているのは庶民レベルで有名なので、今更取り繕っても遅いのですが。


「と言っても現状実際に開いてもないのに事前に決められることなんて少ない。ただ各国がバラバラに日本と交渉を始めても無駄が多くなる。この場である程度の共通認識を持つと共に協定を結び、それを以って代表となる一国が日本と交渉する形にするべきだろう」

「うん。私も同じ意見だ。だからこそこうして各国の代表に集まってもらったわけだしね」


 王妃様の言葉に我が意を得たりと頷く王様。

 一方「あ、これ私ほとんど出番ないわ」と悟って真面目に話を聞くのを諦めた魔王様。

 脳筋をまとめるために自分も脳筋になってるから仕方ありません。


「となると、どこが代表を務めるかだが……」


 リチャード陛下がそう呟き周囲を見渡し、他の人たちも視線を交わしますが、次第にそれは一人に集中していきます。


「……まあ立場的にも国力的にも妥当でしょうね」


 そう言うハインツ王子も含めて、全員の目はフィッツガルドの皇帝陛下に向いています。

 この場で一番の強国であり門を開ける勇者を有しており今回の会議の言い出しっぺ。

 逆に一国独走態勢に入る可能性もありますが、もしそのつもりならそもそもこんな会議は開かなかったことでしょう。


「ふむ。では我が国が交渉の窓口となるということで構わないかな?」


 皇帝陛下の言葉に反対意見も出ず、こうしてフィッツガルドが日本と一番最初に接触することとなりました。

 最初に接触するならガルディアにすべきだろうという日本側の思惑は見事に外されました。

 でも元皇帝陛下という最強のカードが安達くんのマブタチなので、まだ日本有利かもしれません。


「では。最初に軽く聞いておくが、日本と国交を結ぶにあたりこれだけは譲れないということはあるかな?」


 皇帝陛下の言葉に考え込む各国代表。

 そしてしばし時間が経った後、計ったように一斉に答えました。


「カレーの安定供給」

「料理人の派遣」

「酒」

「食べ物関連ばっかりかい!?」


 個人的欲望満載な答えにつっこむ魔王様。

 食は人間の三大欲求の一つだからね。仕方ないね。


 今日も異世界は平和です。



 一方高天原。


「うん。案外順調に行くかもね異世界交流」


 異世界の様子を映している鏡を見ながら頷くアマテラス様。

 言葉だけ聞くと人間界の在り方を案じる素敵な女神様ですが、畳の上に仰向けに寝っ転がりながら見ている全力で怠惰状態です。


「はあ。まあオーディン殿はともかくゼウス殿あたりは乗り気でしたしね。しかし異世界間で交流が始まるとなると、私たちも忙しくなりますね」

「え? 何で?」

「いや……何でって」


 忙しくなるという言葉を聞いてガバチョと起き上がるアマテラス様。

 そしてそんなアマテラス様を呆れたように見るツクヨミ様。


「相手をするのが日本一国の間は布教することはないでしょうし、布教されても無駄でしょうから宗教絡みの問題は少ないでしょう。しかし神々がどこまでを自分たちの領分とするか。

 一番頭が痛いのが死者の扱いですね。異世界で死んでも日本と繋がってるなら日本人は黄泉に引っ張ってこいと母上は主張するでしょうし、その逆もしかりでしょう。果たして母上が納得するような協定をあちらの神々と結べるかどうか……」

「……」


 ついでにいうと異世界間が繋がり人が行き来するようになったら、召喚返しの必要性すらなくなります。

 つまりこの作品のテーマ(一応)が根幹から覆されることになります。

 そんな一貫性最初からこの作品に無いだろと思ったそこの貴方。

 世の中には言っていいことと悪いことがあるだろう!?


「よし。オモイカネに投げよう」

「母上を呼びますよ?」

「ぐふっ!?」


 全力で面倒ごとを回避しようとしたアマテラス様ですが、ツクヨミ様に「おまえの母ちゃんに言いつけるぞ」と言われてどっかの国民的RPGみたいな断末魔をあげて倒れ伏しました。


「鬼! 悪魔! シスコン! ロリコン!」

「だからどっから出てきたんですかロリコン疑惑!?」


 姉弟のやり取りを聞いて「やっぱり他は否定しないんですね」と生温かい目で恋人を見るトヨウケヒメ様。

 今日も高天原は平和です。


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