ノイズ
あれ? これってまさか……
「なあ……教えてくれ……お前は何者なんだ……」
腰まである灰色の髪に吸い込まれてしまいそうな漆黒の眼の少女を前に不思議な空間に立っていた。
「私のなま…は………リア、…を作りし…者」
少女の声はノイズのようなもので隠され聞き取る事が出来なかった。
その瞬間。頭の中に大量のムービーが流れた。
アエリアの笑顔、カノンの笑えないギャグ、ナギの笑う顔、シノの恥ずかしがる顔、アオバと歩いた道の思い出、イルアの怒る顔、カナメの嬉しがる声。
全ての動画が頭の中で一部一部流される。
「これ……は……」
そして、俺が見た世界全体。
ビルなどが倒れ、高速道路が落ち、家などはほとんどが焼けていた。
「これは全てあなたがしたこと。そして……」
「これから実行されること……」
ノイズなどは一切走らず、少女の声がはっきり聞こえた。
「やっぱり……君は……誰なんだ?」
「私の名前は…メリ……空間を作りし者」
「君が……」
名前だけノイズに消されたがこの少女のことが少し分かったような気がした。
「私のことはもうすぐ分かるよ。だから……あと少しだけ、アエリアのそばにいてあげて?」
「ああ。分かった……約束する……」
その瞬間、俺の体は黒いオーラに包まれた。
「バイバイ……」
みなさんこんにちはぁ。お馴染みのカノンでーす。
まだキサラくんが寝てるんで何故か僕に視点が当てられてまーす。
それにしてもキサラくんの寝顔可愛いねぇ。赤ちゃんみたい。
「写真に納めて、がはっ!」
カノンは横腹を思い切り誰かに殴られた。
「朝っぱらからうるさいんだよお前は」
いつの間にか金色の長髪で深い青色の眼をした女性がそこに居た。
僕は痛みで横腹を強く抱えた。
「痛いよナギ! 少しだけ呼吸が止まったじゃないか!」
「お前がうるさいのが悪い」
「そんなバカな!」
僕は頭を抑えしゃがみ込む。
「何やってるの? 二人とも」
腰まである黒髪の少女が燃えるような真っ赤な目を擦りながら部屋に入ってきた。どうやら寝起きのようだ。
「アエリア? その手に繋いでるやつ何?」
僕はアエリアが右手に繋いでる人形を指差す。
「え? 何って……」
1、2、3……3秒の間が空いて。
「ちちち、違うもん! これは私の手に付いてるだけだもん! 私は大人だから決して一緒に寝てなんかないもん!」
どうやらアエリアは大人と言う二文字に固執しているようだ。
いや、日本人形と一緒に寝れてる時点でもう立派な大人だと思うよ……
「じゃあ僕は今日料理当番だから行って来るね」
「手抜きしたら……殺す……」
「はいはい分かってますよ。もう、ナギは怖いなぁ」
僕はドアノブに手を掛け扉を開けた。
「どうした? 忘れ物か?」
扉の先は少女と女性と少年が居る部屋だった。
「あれ? おかしいな……」
確かに外に出たはずなのにまた同じ場所に出てしまった。
「じゃあもう一回」
僕はもう一度部屋から飛び出た。
「お前さっきからおかしいぞ?」
またしても同じ場所。
「もしかして……」
僕は日本人形の手をギュッと握っている少女を見た。
「カノンがいじめた……カノンが……」
少女は小さな声で呟きながら俯いていた。
「あーあ。カノンが泣かせた」
ナギの言葉で僕は相当な罪悪感を感じた。
アエリアの能力で部屋から出られないイコールご飯が食べられない。
そう考えるだけで冷や汗が溢れ出た。
「どうすんの! いやこれマジでどうすんのっ!」
動揺のせいで二回言ってしまった。
「いや、カノンがアエリアの機嫌を損ねるのが悪いんじゃん……」
「いや! 何も行ってないからね! 聞いただけだからね!」
やばい……このままだと死ぬ。飢え死ぬ……
「いや一ついい方法がある。イルアに電話して食料を持って来て貰おう」
僕は最後の希望を胸に抱き、携帯でイルアに連絡する。
プルルルル……プルルルル……
呼び出し音が耳元で鳴り響く。
ピリリリリっ! ピッ!
後ろの方でイルアの着信音が鳴る。
「お兄さん何やってんの?」
希望が壊れた。
「何で入って来てんの! 入って来ちゃダメだよ!」
イルアは部屋に入って来ていた。
「何だよ……呼ばれたからせっかく来てあげたのに……」
ブツブツ呟きながら部屋から出て行くイルア。
いや、来ない方が助かった。命的に。
「な、ななな、何でぇ!」
イルアは部屋内を見て叫ぶ。今の状況に気付いてないようだ。
そうだった。この子アホだったんだ。
「これってアエリアの力だよな! どうすんの! いやこれマジでどうすんの!」
「いや、それさっきも僕が言ったから……」
イルアは僕と同じ反応で叫ぶ。
「ご飯が食べられないじゃないか!」
「それもさっき言った。心の中で」
イルアは僕と似てるのかもしれない。
「って言うか! お前なら抜け出すこと出来るだろ! 空間の神的存在なんだから!」
「無理だよ! 僕は物しか出せないんだから!」
「じゃあ、食料出せよ!」
「それも無理だよ! 生ものは出せない仕組みになってるんだ!」
「どんだけ不便なんだよその力!」
もうこのまま一生抜け出せないのかと絶望感に浸った瞬間だった。
周りに大量の粒子が浮かんだのだ。
「何だこれ……」
光の粒子は少し上に上がると消えて行った。
「お前ら人の部屋で何やってんの?」
ふと、ベットの方から少年の声が聞こえた。
目線を向けるとそこには欠伸をする黒髪の少年が一人。
「てかどんだけ騒いでんだよ……ん? どうした?」
少年の方を全員が凝視していた。
少年は再度欠伸をしながら部屋から立ち去って行く。
「何と言うか……」
ナギは一人、こう呟いた。
「何者なんだ……あいつは……」
いや……多分あれ、髪型から言うと……
スーパーサイヤ––––
皆さん久しぶりです! あるまです!
長い間みゃんたろうさんがお世話になりました。
どうでしたみゃんたろうさんの小説は読みやすかったですか?
いやーあの人自分より言語表現うまいもんなあ。
そんなことより、新章始まりました!
なんか五話目で新章ってのも面白い話ですよね。
ここまで読んでくれた皆様ありがとうございました!
まだまだ続きますのでこれからもよろしくお願いします!




