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0の衝撃  作者: あるみゃ
最終章 全ての終わり
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少年の望み

違う……これが望みなら……

「もう、ずるいよ! キサラ」

むすっとした顔でアエリアが部屋に入って来た。

「どうしたんだ? いきなり」

どこに居ても一人になれないので俺は一つ溜息をつく。

そんな事もお構いなしに俺の前に立つ。

「ファミレスに行くのなら……私も誘ってよ……」

「いや、居なかったし……」

どうやらファミレスに行ったことにご立腹のようだ。

「どうして待ってくれなかったの!」

「耐えきれなかったから……」

どうして俺が怒られているんだろうか。

「まあ、それはいいけど……」

いいのかよ。

「さっき見ちゃったの……アオバちゃんと二人で居るとこ……楽しそうに手繋いでた……」

「あ、あれは……そのぉ……」

言えない。恋人の振りしてたなんて言えない!

「まあ、いいや! 何でこんなこと考えているんだろう!」

両手で頬を叩きながら部屋から出て行った。

てか……見られてたのか……

「あの……キサラ……?」

「うわっ! どこから出てきたんだお前はっ!」

後ろから肩を叩かれ、心臓が破裂するほど飛び上がった。

「さっき来たの……ずっと考え事してたから気付かなかったのかな……」

「へ? 考え事? さっきまでずっとアエリアと話してたけど……」

そう言うと、アオバは小首を傾げた。

「……アエリアちゃん? アエリアちゃんなら……ずっと、隣の部屋に居るよ?」

隣の部屋からはアエリアらしき声がはっきり聞こえた。

今日の料理当番はアエリア、時刻は十八時五十八分。

時間的に三十分前からはもう夕食を作り出しているはず。

「もしかして……幻覚……?」

アオバがそう言った瞬間、全身の身の毛がよだった。

その場合、幻覚の能力者がすぐ近くにいるということになる。



その瞬間だった。背後の窓が割れる音がしたのだ。

「ご名答! 流石だね!」

赤髪でポニーテール、目は黒色の少女が鉄パイプを持っていた。

「お前はっ!」

俺は、ベット下の隠しダガーを素早く手に持った。

「そんなに警戒しないでよ。攻撃しに来たわけじゃないから」

少女のハイテンションな声が俺の耳に届く。それでも俺は警戒を解かない。

少女は鉄パイプを突きつけてこう言った。


「君! もう死ぬよ?」

体全体が凍ったような感覚を得た。

「私の能力はウイルスみたいな滞在性があってね。今は君の体に転移してるの!」

「何を……言っているんだ?」

恐怖で舌がよく回らず、震えた声が出てしまった。

「だから! 君に転移させた能力がだんだん強くなって、幻覚を大量に見せるってこと!」

「そんなこと、いつしたんだよ!」

俺は一つの事が頭に過った。

デパートとファミレスは反対方向なのだ。つまり、アエリアには俺たちが手を繋いで帰ったなんて事は知らないはず。

ということは……転移させた時は、俺たちがあの並木道を歩いていた時。

「そう言うこと! 多分君が考えてることで正解だよ!」

気付いた時には少女に向かって武器を振り上げていた。

「貴様っ!」

少女の言葉で苛立ちが込み上げて来のだ。

こいつは、洗脳されてなんかない。自分から、行動に移しているのだろう。ではないと、あんな自我は保てるはずがないのだ。

「じゃあ、せいぜい最後のひと時を過ごすんだね! さよなら!」

少女はそう言い残すと窓から飛び出して行った。

「待てっ!」

窓から見下ろすが少女の姿が見当たらなかった。

そもそも、十一回のマンションで飛び降りれるはずがない。だが姿が見当たらないのだ。

「今の音なんだったの?」

アエリアが駆けつけて来た。

「アエ……リア?」

目から涙が溢れてくる。

「ごめん……一人にしてくれないか……」

俺は目を抑え視界を遮った。

まるで現実から逃げるように……





「死にたかったら言ってよ……大丈夫。痛くしないから……







二千十四年十月一日正午。


俺は幻覚から覚めると頬には血が付いていた。

「どうして俺はこんなに無力なんだ……」

目の前には地面に広がる赤とアエリア、カノン、シノの三人が横たわっていた。

「こんな力じゃ……誰も助けることが出来ない……」

俺は頭を抱えしゃがみこんだ。


俺は破壊するために作られた存在。誰も助ける事が出来ない存在。

「教えてくれ……どうして俺は作られたんだよ……アメリアっ!」


「それは……あなたが望んだ事……だから……」

少女の声が耳元にはっきり聞こえた


「それなら俺がみんなを助けてやる……」

全身が光に包まれる。

「あなた……何をっ!」

アメリアの驚く声が部屋を響かせる。

俺は心から全ての力を絞り出した。

「うぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」

この世界を……この空間を作り変えてやる!

地球全体が丸い光に包まれた。



全ては一瞬でリセットされた。

こんにちは! あるまです!

最終話が終わりました。

今まで見てくださったみなさま! ありがとうございました!

では、さよなら!
















とは言っても次章だすつもりだけど……

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