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転生した物語  作者: 床に這いつくばって
第一章 この世界
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第一話 トリスタン・ラメント

トリスタン・ラメント

前世は陰キャの男であったがなぜか死に、そして今世の彼の名前だ。

彼は今年で32歳。

男性において筋力のピークだ。


そんなことはどうでもいい

なぜかって?今俺は死にそうだからさ

それだけだよ。しんどいです。何も不思議じゃないだろう?


はあ、とため息をついた。


そういえば父があまり人の前でため息をつくなと言われたかな。


嫌だな、よく昔のことを思い出すようになった。はあ今頃どうしているのかね?


「トリィ!!」


大きな声が聞こえた。愛称でトリィと呼ばれてる、まあ知らんがな。

隣を見ればエリスが見える。剣を振っているエリスが見える。エリスなんだっけな、ん?

いやまてエリスって名前多くね?いや多くね?うん多いわ。



…ものを考える暇くらいはあるもんだな。



と思っているうちに足元に何かが来た?いや現れた?わからんな。


…はあ


ため息をつくたびに体に痛みが走る。痛いねぇ。ふと冷静になると俺の右手はないことに気が付いた。足に気を取られたな。そりゃあ痛いだろう。ちょまて痛い痛いわ、痛てぇ

それでも残った左手で剣を持ち降っていることが分かる。隣を見ればベアトリスが見える。いつもはトリスって呼んでたな...名前似てますね。

彼女も剣を振りつつ何かを唱えている。

不思議だ。いつもの事なのにな。いや最初の頃かな。


他にも数人居たがどうも思い出すことが出来ない。


そんなことを考えていたら足に鋭い痛みを感じた。今度は足かよ。


…折れた?

あー切れたのか?



あり得るぜ。はは、は…



…目の前に居るのは何だろう?現実逃避っていい選択ではないだろうか。

ふと目の焦点を「それ」からずらす、するとなんともいえないが綺麗な景色が映った。

ふうははそういえば俺が良く覚えている景色もこんなだったかな?


と思うと「それ」は遠くにジャンプして逃げた。どうやら誰かが何かしたみたいだね。

そうか逃げたか。それでいいだろう。ここまでしんどいのは初めてだ。いや一度くらいあったかね?


そう考えるとみんなはドタドタ倒れた。

死んではないだろう。

これくらいで死ぬくらいのを集めたわけではない。

これくらい…なのか…?分からない

…死にかけの俺が言えないが。

まあいい。今は休みたいんだ…








俺は転生したのだろう。

多分いやそうなのだろう。てかそうじゃないとおかしい。…そうと思いたい。だって外を見てみヨーロッパぽいぜ!田舎だけどな…


あれから覚えていることは

だんだんと痛みが全身を襲いだんだんと意識が遠くなりだんだんと体が暖かくなって気付けば美女の腕の中にいた。

手を見るとかなり小さく赤子になっているとわかった。何か喋ろうと思ったが口から出てきたのはうーうーうーと訳のわからない言葉だ。言葉と言っていいのかな。

そしてそこでわかった。転生したんだと。よくラノベを読んでいたし日本でも有名な大学に入っていた俺は頭がいいんだぜ?それくらいピンとくる。

…にしてもデカい。眼福眼福〜。フンフン。おおええですなあ!

十秒くらいだろうか、なかなか気分が高揚していたらしい。

美女の他に男がいた。見た感じ勇ましいほどではないが顔立ちはいいし頼りたいと思える顔だ。すなわちヨーロッパ人だな。いや偏見にあたるか。

それから金髪で、美女と話している。全く言語はわからないが表情と口調で嬉しそうで楽しそうだ。俺が生まれたからだな。

そして気づけば男に抱かれていた。おっとそういう意味ではないからな。誤解を招きそうだから一応な。

おお、最初にそんな感想を抱いた。

布を巻かれていて布越しだが筋肉がわかった。

これ相当だな、まるで鉄のように固くデカい。…まって俺が重すぎるのか…?いやいやそれは違うよな?…違うとしよう。

そういえば俺も昔、筋肉こそパワーだ!!ってメッセージアプリのステメに書いて運動やら筋トレやらしてたわ。付いたは付いたがそれを自慢したら見せ筋見せ筋って言われてショックだったな。悲しかったぜ。普通に悲しいが?

まあいい今はなかなか幸せだ、気分がいい。



一通り終わると俺は籠に移された。転生したはいいがここはどこだろう?

ヨーロッパらへんだろうがもう一つ気付いた。窓の向こうを見るとな?畑だったんだよ。

それはいいだって前世でも見たからな。いるんだよ。畑のすぐそばに…化け物と言えばいいのかな?とにかくよくわからない物体がそこにいるんだよ。普通に怖いんだが…えこれ異世界か??ヨーロッパ風の??いやだとしてもあれは明らか危険では?

そんなふうに俺の中にある警報が鳴っている。


「うーあうー」


と言葉にならない声で両親を呼んでみる。

…来ないよねー来るわけないか。

と思うと男が剣を持って出てきた。異世界やな。

いやーこう闊歩している感じええな。

そう思う間もなくその物体を切った。

おーと声が出れば言っていただろう。するとその男は父だと分かった。普通にイケメンだな。

ん?終わりか?これで?あれこの世界はこれが普通なのか??いやまあいいんだけど。

一度剣を振り落としただけである。

仕事が早いね。

となると俺も剣くらい使えるようになるのかね?

そう思いつつ眠いと感じた。この体だからかな?

まあいい寝て強くなって前世でできなかったことをしよう。

俺はそう思い眠った。







ふあーと息をつき今日も起きる。


確か今年4歳になったんだっけな。まあご察しの通り幸せですよ。大学に行かなくてもいいし、毎日ダラダラと過ごせる。

美女の胸を吸えなくなったのは残念だがな。


そうだそうだ!この世界の言葉に慣れてきたんだぜ?いやまあ4歳だから当たり前か。


…そういえばな俺には兄というものがいるらしい。確か2歳年上だから今年6歳だな。

そんな俺と変わらず彼も怠けているように見える。ただ父と体作りしているのだろう体はでかいし、だいぶ流暢に喋っている。あと学校にも行ってるしな。それだからかあまり接点は多くない。



「ふあー」とあくびをつく。



とにかく暇だな。

することないし。ここに来て分かったことくらいまとめていようかな。



名前 トリスタン・ラメント

   明るめの金髪だ

愛称 トリィ

(なんちゅう名前だ?聞いたことないんだが)

親の名前 母 ヴィヴィアント・ラメント

    愛称 アン

     父 アモス・ラメント

    愛称 アモス

兄の名前   リアム・ラメント

    愛称 リアム

この世界   明らか異世界

住所    ラメント家が納めているアースブルク領のどっか、あと田舎って思っていたけど反対にはまあまあな街がありました。

      


っていう感じかな

全部親の盗み聞きやけどね。

うーんでも何か引っかかるんだよな。いやーなんかなこうどうもこうもラメントっていう字が多いなー。ってね。






…ラメント家?はいはい。え?んん??いやそんな?えでも…あー貴族ってこと?

そういうことよね?

俺貴族やったんか?よくある設定やけども。異世界転生したら貴族でしたー的な?感じ?か?

いやいやそれでも追いつかんわ。どないやねん?待て待て貴族としてもなぜこんな街のはしっこなん?

左遷でもされたんか?

アモスやーどうなってんねん?




…ふう…まあいいか…めんどいことは忘れよう。めんどいわ、知らん、わしにしちゃこちゃないねん。



そんなことを思いながら一日一日過ぎていく。

…と思っていたがここは異世界。すなわち剣がある。(魔法は無いっぽい?)

で、俺も剣士の息子なわけですよ。4歳とはいえ剣士の息子。




「もっと腰入れろー!!」




…なんだろう、父のような声が聞こえる?

いやあまり聞かないが良く分かる声だ。

どう解釈しても父だろう。


あれおかしいな。せっかく異世界転移したのだからスローライフを送りたいなと思っていたのだがな。それなのになぜか手には重たい木刀だ?



「ふがぁっ」



情けない声が出た。それもそうだろう。

だって我まだ4歳ぞ?

おかしくないかね?

もう一度言おう、4歳ぞ?


いやまてこの世界の常識なのか?

いやまてそれはそれで怖い。うん普通にビビる。

それでも手加減していることは分かる。

でももう一つ分かるのは4歳にさせることじゃないと。

6,7歳くらいにする訓練ではないだろうか。


ふと違う考えが頭に浮かぶ。

...俺が弱いのか?

うーん、ありえるな。実際前世はガリだったし体の使い方なんか分かんない。

うわぁ困ったことになったな。

シンプルこれを続けることにもう嫌気が差していた。



いやトリスよこういうときこそ冷静にだ。

例え前世があーだったからこうだったからとかじゃない。


そう思い俺は目を見開いた。




しかし現実は甘くない。




「ふがぁっ」



本日2回目の声だ。そしてそのまま気絶した。

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