第7話 和解
それから数日後、亡霊たちからの情報でエレノアの弱点を突き、彼女が無防備になる瞬間を狙った。
泣き人たちを弔う瞬間をつかれた、無防備なところに強襲されたエレノアは、自分がどうして負けたのか分からないと嘆いた。
手段を択ばず目的に向かって邁進してきた。
必要な事ならなんでもやってきたから、負けるはずがなかったのに、と。
しかし結果として、エレノアを守っていた護衛の兵士達は、彼女を守らず、危機が訪れる事も主人に知らせる事がなかった。
慟哭するエレノアに、アカリア達は告げる。
理想と現実はバランスをとらなければ、簡単に悲劇に傾いてしまうのだと。
アカリアは、死者が見える自分の力をエレノアにあかした。
過去には、その力を持った自分を他人に受け入れてほしいと考えていた。
しかし、それは理想にすぎず、現実ではそんな人間を簡単には受け入れられない人間が多い。
無理に理想をかなえようとすれば必ず綻びが出るし、無理やり自分の願いをかなえた所で、本当に欲しい結果は得られない。
だから、甘さを捨てて現実だけを見ているエレノアのやり方は、いつか破綻するだろうと告げた。
ならどうすれば、と悩むエレノアに、アカリア達は告げる。
理想と現実、両方を見る事が必要だと。
「世界を救いたいのなら、皆で考えて問題を解決するべきです。そうしてくれるなら、私達も協力しますから」
そう言ったアカリア達はエレノアに手を差し伸べる。
エレノアは躊躇いながらもその手を取った。
それは、脅威に立ち向かう者達が、本当の意味で手を取り合った瞬間だった。