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名もなき墓所に眠る  作者: 中村小波
第一部 光と影
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第二章(三)

 その夜、ペテルギウスはシネマーを自室に呼び出した。満月が明るく照らし出す。あの雪の夜に似ていた。ペテルギウスはシネマーをいすに座らせ、肩に手を置いた。


 一〇年前のあの日、二六歳のペテルギウスが九歳のシネマーの肩に手を置いた。粉雪が降り積もり、向かいには暖かそうな馬車。中からペテルギウスの父がこちらを見ている。あの優しい言葉を、彼は生涯忘れないであろう。


「一緒に来るか?」


 そして現在、今も言葉が放たれようとしている。


「今日限りで、おまえを解雇する」


 シネマーの顔が、みるみるうちに青ざめていく。


「……なんですって!?」

「今まで、よく仕えてくれた」

「ペテルギウス様!! 私は生涯あなたに仕えると……」

「明日からはティンに付いてやれ」

「え?」

「心細いだろうから、頼むぞ」


 シネマーは胸を撫で下ろした。


「はい!!」


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