お隣さんと秘密の授業中
週明け、月曜日になり授業が始まった。私は、千幸のお誘いで、一緒に登校することになった。学校に着くと周りの人がひそひそ話しているのが聞こえてくる。
校門をくぐり、一緒に教室に入ると、ここでもいやな視線と内緒話を耳にする。
千幸は関係ないようなふりをして平気に中に入っていく。ほんとによくやるよ、千幸は。そのまま、席に座る。
椅子に座ってからも、千幸は話しかけてくる。周りの人には聞こえないくらいの大きさであった。
「ねぇ、今日の放課後、どうしようか。」
「それなら、今日の放課後には一緒に買い物に行ってほしいの。今日はおひとり様一個限りの商品がたくさんあるの。」
「それなら、いいよ。一緒に帰ろう。」
朝のホームルームが始まるまで、二人でしゃべっていた。
そして、それは一時間目に起こった。隣にいる千幸から、紙切れのお手紙が届いた。そこには、ただ一言「寝ぐせついてる。」とだけ書いてあった。
それから、毎休み時間に千幸は周りの友達をほっておいて、私に話しかけてきた。なので、お昼ご飯になって、彼女のお友達が話しかけてきた。
「ちょっとあなた、何なの?千幸ちゃんとどんな関係なのよ?」
「千幸さんとは家がお隣のただのお友達です。ただそれだけの関係なんです。」
「へぇ、そうなの?それにしてはずいぶん仲がいいようだけど。」
「そういうわけじゃあ、ないですけど。」
そんなときだった。千幸が帰ってきた。
「ごめんねぇ、紅葉ちゃんただいまぁ。」
「へぇ、そういう関係なの?」
あ、終わった。私はそう思った。そんなこちらの気持ちも知らずに、千幸は、
「そういう関係って?何々どうしたの?紅葉ちゃんなんかあった?」
「ねえ、千幸ちゃん、赤井さんとはどういう関係なのかしら?」
「紅葉ちゃん?紅葉ちゃんはね~大切なお友達だよ。」
ああ、終わった。最悪かも。
「へぇ、大切なお友達ね。まぁ、いいわ。今日は失礼するわね。」
その、放課後事件は起こった。私の下駄箱にごみがたくさん詰まってた。私はせっせとごみを掃除していると、周りから、人が消えていく。すると、隣に、あの千幸ちゃんのお友達がやってきて、せっかく集めていたごみを私の頭の上にかぶせてくる。そして、
「もう近づくなよ?わかったな。」
そう言って、靴を履き替えて帰っていく。
私はもう一度ごみをかき集めて、千幸を待つ。
すると、おーいと声をあげて、千幸がやってくる。
それから、一緒にスーパーへ向かった。