お隣さんと秘密の休日配信
事務所を訪れた翌日、私は自室の隣部屋である白雪千幸の家にやってきている。
「はーい、みんなぁ、今日は紹介したい人がいまーす。」
そう百合ちゃんが言うと、画面の先のコメント欄で、たくさんの人が彼氏か?なんてコメントを打っている。それを見て、百合ちゃんというか千幸が画面の前でニヤニヤしている。
「みんなぁ、彼氏なんかじゃないよぉ。今日紹介したい人というのはね、これから私の健康面と、配信の路線について面倒を見てくれるお友達だよ。」
千幸がどうぞ、とでもいうように画面の前を開けて画面に向けて手を広げる。
「初めまして、これから百合ちゃんのお世話をすることになりました。秋桜です。よろしくお願いします。ちなみに皆さんと一緒でくゆちゃんです。」
くゆちゃんというのは百合ちゃんのファンネームのことである。
私があいさつを済ませると、コメント欄がフーっと盛り上がる。そこで私は画面の前を百合ちゃんに返して、後ろに戻る。
「もう、みんなぁ。私の友達に心躍らせすぎだよぉ。妬いちゃうぞ。まぁみんな、秋桜ちゃんのこともよろしくしてあげてよ。」
そんな感じで私のお披露目会は成功と言える結果となった。それから、百合ちゃんはそのまま配信を続け、一時間ほどゲーム配信を続けることとなった。
私は百合ちゃんが配信を終えるまでの間、ご飯を作って待っていると、配信が終わったのか、防音室から、千幸が出てきた。
「あ、ご飯だぁ。作ってくれたの?ありがとう。」
「そういう、お仕事なのでね。」
「紅葉ちゃんそういう言い方冷たい~。もっと言い方あるでしょう。」
「はいはい、ご飯ですから手洗ってきてください。」
「はーい、行ってきます。」
千幸が手を洗いに行っている間に、ご飯をよそっておいておく。彼女が帰ってきたら、一緒に手を合わせてご飯を頂く。
「お昼から何しようか。ゲームでも、一緒にする?」
「いいの?してみたいかも。二人でゲームってしたことないんだよね。」
それからは、二時間ほど格闘対戦ゲームを遊ぶことになった。それからも、アニメや映画を一緒に見て、夕ご飯を食べる時間まで一緒に遊びまくった。
夕食はハンバーグを作り、彼女に振る舞った。