お隣さんとハンバーガ屋さんでの秘密の会談
白雪さんの秘密を知ってしまった翌日、私は教室の自分の席で小説を読んでいた。みんなはクラスの友達同士でしゃべったり、ふざけあったりしているのに私は本を読んでいるだけなのである。だからこそ、私のことなど誰も興味を持たないので、私が白雪さんの隣に住んでいても何一つ話題としてあがらないのである。
そんなとき、白雪さんが教室に入ってきた。その瞬間クラスが一瞬シンっと静まり返る。その静けさはすぐに打ち壊され、クラスメイト達が白雪さんに話しかける。
そんなクラスメイト達の中をかき分けて、白雪さんがわたしの下へやってくる。
「おはよう、赤井さん。今日もよろしくね。」
そう言って、自分の席に座る。
「うん、おはよう。」
後ろでは、「なんで赤井さんと?」なんて声が上がっている。すごく視線が突き刺さっていたいです。ただし、クラスメイト達がすぐにそんなことはどうでもいいとでもいうかのようにまた白雪さんの周りに行って話しかける。
白雪さん、昨日確かにこれから仲よくしようって言ったけど。
というのも、これは昨日白雪さんの秘密を知った後こと。
「赤井さん、連絡先を教えて。登録しておくから。」
そう言われるが、突然のことで綿渡してしまう。
「何してるの?LINOのアカウント教えて?」
「ごめんなさい。友達あんまりいないから。こういうのわかんなくて。」
「そうなの?確かにあんまり友達としゃべっているところ見たことないわね。」
白雪さんの言葉が胸に刺さる。
「まぁ、これからよろしくね。プロデューサー、いろいろ頼ると思うからね。学校でも話しかけるからちゃんと返事してよ。」
なんて言っていたが、まさかあんなにも積極的に関わってくるとは思わなかった。とはいえ、私も昨日の夜はどんな風に彼女をプロデュースしようかなんて考えていたのだが。
その日の放課後、私は白雪さんに呼ばれて、ハンバーガー屋さんに行くことになった。
「いや~、来てくれてよかったよ。ありがとうね。」
「まぁ、呼ばれたからね。で、今日は何で呼ばれたの?」
「昨日の話の続きをしようかなって思ってね。」
お互いにハンバーガーのセットを買って席に着く。白雪さんはシェイクを飲みながら話し始める。昨日のとこというとプロデュースのことだろう。
「昨日の話考えてくれた?」
「まぁ、一応ね。黒咲さんをどうプロデュースするかいろいろ考えたよ。」
実際昨日の夜はいろいろ考えたので正直に話す。
「マネージャーにね、話したら一回話してみたいって言ってるの。だから、もしよかったら今週末に事務所に一緒に行ってほしいの?」
ずいぶん話が壮大になってきた。事務所まで関わってくるのか。まぁ、よく考えてみれば当然か。
「ちなみに聞いてみたいんだけど、いつから、黒咲のこと好きだったの?」
「二年前からかな。」
「てことは、デビュー当初からか。やっぱり、それなら話は早いかも。」
そんなわけで、数日後、彼女の事務所に行くことになった。