お隣さんと秘密のお買い物(前編)
ある日曜日、私たちは商店街にやってきていた。目的はいろいろらしい。らしいというのは千幸が提案したものだからです。
アーケード街のガラス張りの屋根にまぶしい日差しが差し込んでいる。春過ぎの少しずつ強くなる光を直上から浴びながらショーウィンドウの街を歩く。
ふと、鏡に映る人の顔が気になった。よくよく見ると、碧ちゃんではないか。と思い千幸を誘って、駆け寄っていく。
「おーい、碧ちゃーん。」
「!?わぁ、びっくりした。二人とも奇遇だね。こんなところで。」
「そうね、私たちもたまたまこっちに来ていたから、本当に奇遇だったわね。」
「たまたまっていうか、私は千幸に呼ばれてきたんだけどね。」
「そこはいいじゃない。まぁまぁ。」
道端でしゃべっていると、人が私たちを避けていく。
「ここじゃあ邪魔になるわね。少し、場所を移しましょうか。」
ということで、カフェにやってきた。カフェに到着すると、店員さんから、メニューを渡される。
私たちは渡されたメニューを見ながら口を開く。
「で、なんで千幸たちはあそこにいたの?」
「あ、それ聞いちゃう?それはまぁ、簡単に言うと紅葉ちゃんに買い物に付き合ってもらおうと思ってね。それで、碧は何でいたの?」
「私は適当にぶらぶらしていただけだったんだけど。二人の買い物に付き合ってもいいかな。それとも、二人のデートのお邪魔かな。」
「そ、そんなことないよ。ただの友達だって。」
「ただの友達、か。ちょっと残念。」
「えー、ごめん、なさい、かしら。ちょっとした、言葉の綾だよ。」
そんな風に話しながらメニューを千幸たちに渡すと彼女たちはすでに決まっていたのか。ベルを鳴らす。
少し待っていると店員さんが伝票用紙を持ってやってきた。私たちは一人ずつ注文していく。
しばしの後、注文したプリンアラモードやケーキに、コーヒーや紅茶が運ばれていた。私たちはそれぞれに連れてこられたケーキたちを口に運ぶ。
お昼にしては豪華かつカロリーの高い食事だったがまぁいいでしょう。