表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/16

お隣さんと秘密の調理実習

ある日、千幸が家を訪ねてきた。


(まぁ、家といってもマンションの隣の部屋なのだが。)


「ねぇ、紅葉ちゃんは料理ってできるよね。教えてほしいんだけど。」


どうして急に突然こんなこと言いだすんだろうなんて考えていると、ふと一つの案が思いついた。


「うーん、教えるのはいいんだけど。もしかして、今度、調理実習あるから?」


「そう、あんまりひどい状況で臨むのはどうかと思って多少はできるようになりたいの。」


ということらしい。確かに千幸は料理は苦手だった。いつも、料理の際にはゲームをしているもんだからそういうことだとは察していた。だから、いきなり調理実習というのは荷が重たいのだろう。


ということなので、今日から一緒に料理をすることになった。最初は本当に大変だった。袋をバンっと開いたり、包丁で指を切ったりとなんやかんや、やらかすので大変だった。


そんなこんなで、数日がたった。千幸はそれなりに料理ができるようになった。少なくとも人様に迷惑をかけるような状態ではなくなった。日に日に食卓に出される料理の色彩が鮮やかになっていく様子は実に言葉にしがたいものがあった。


そして、またまた翌日ついに調理実習が始まった。ちなみにメニューはカレーライス一品だけだった。私たちは好きに班を組んでいいということだったので相変わらずの四人で組むことになった。


四人のうち二人が包丁をもって、野菜や肉を切っていく。二人のうち一人はわれらが千幸様です。練習通りゆっくりとだが一つ一つ野菜を切っている。


野菜やお肉を鍋で煮込む。色が変わってきて柔らかくなってきたころにルーを入れてさらに煮込む。


すると、無事カレーはなんてことなく完成し、我々は食事にすることに。手を合わせて、声を出し、スプーンを口に運ぶ。千幸は泣きそうなほど喜んでいる。


「ねぇ、なんで千幸ちゃんは泣きそうになっているの?」


「多分、料理が成功してうれしいだけだから大丈夫。私は健吾君が料理をできたことに驚きなんだけど。」


「まぁ、俺は家事を結構手伝うからな。」


なるほど、それなら納得だ。みんなでワイワイ喋りながら残りの時間を過ごした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ