表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/65

61.現れない彼




ーー夜6時50分。

場所は夏都と約束しているスーパーの前。

薄暗い空に覆われる中、白いワンピースでおしゃれをしてきた美那は約束の10分前に到着していた。

そわそわしてるせいか、1分おきに腕時計を確認する。



早く会いたくて……。

会いたくて、会いたくて。

1人で待っている時間さえ愛しい。


今日は誕生日だけど、滝原くん以外の人には言わなかった。

その理由は、これ以上素敵な思い出を残してしまったら人間界から離れたくなくなってしまうから。



でも……。

15分経っても彼は現れなかった。

どうしたのかなと思って電話をかけてみたけど繋がらない。

ここから彼の家は近いけど、入れ違いになったら嫌だと思って待ち続ける事に。



ーーしかし、1時間経っても状況は変わらず、がっくりと肩を落としたままスマホでメッセージを書いていると……。




「滝原くんなら来ないわよ」




正面から声が届いた。

見上げるとそこには河合さんの姿が……。




「河合さんどうして……」


「今さっき滝原くんの家へ行ったの」



「えっ……」


「これがどういう意味かわかるわよね」彩綾は挑発的な上目遣いでニヤリと微笑む。



「まさか吸血を……」


「今日があなたのミッション最終日。あなたは二つの選択肢のうちの一つを選ばなければならない。ヴァンパイアの自分を守るか、彼の命を守るか」



「……酷い。私の期限を知りながら吸血をするなんて」


「たっぷり時間があったのにノロノロしてる方が悪いのよ。自分を追い込んだのは自分自身よ。恨むなら自分を恨むといいわ」




紗彩は冷たくそう言いながら去って行った。

一方の美那は、想定外の事態に気持ちがついていけない。



滝原くんは河合さんに吸血された後に倒れちゃったのかな……。

昨日、私が吸血した後も少しずつ意識が遠退いて最後は眠ってしまったもんね。

だから、さっきから何度連絡しても繋がらないの?

もし、そうならうかうかしてられない。

滝原くんの家に行って様子を見ないと……。


美那は身体の無事を祈りながら夏都の家へ走り向かった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ