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57.濁る気持ち



ーー夜10時10分。

場所は夏都の自宅のリビング。

夏都はイスに腰をかけたまま、美那が許せない自分と、美那が人間界から去っていくという現実の(はざま)で苦しんでいた。



あいつは最初から吸血目的で俺に近付いたんだよな。

自分がヴァンパイアとして生き抜く為に。

しかも、知らない間に一度吸血を済ませている。

俺が重度の貧血持ちだと知りながら……。

正直、最悪だ……と思った。



でも、あいつは俺の心が辛くなった時は空を見上げなくてもいいようにいっぱい話を聞いてあげるって。

手に傷を負いながら俺の体調管理の為にお弁当を作ってくれたり、貧血対策栄養リストの手書きのポスターを徹夜で作ってくれたり、またサッカーやろうと言って前向きな気持ちにさせてくれた。


裏切り以上の深い思い出が胸に刻み込まれているからこそ苦しい。



台所に目を向ければ、ご飯を作りに来てくれた時の思い出が自然と蘇る。

手元には、ケガの手当てをしてくれた時に差し出してくれたコウモリ柄のハンカチ。

タイミングが合わなくて返すのを忘れてた。

冷蔵庫の横には置きっぱなしの黄色と白のチェックのエプロン。

そして、キッチン台の上には毎日宅配ボックスに入れてくれたお弁当の使い捨てパックの山。



……俺、本当にこのままでいいのかな。

確かに自分も美那に近付いた理由は怜に嫌がらせをする為だった。

自分のメリットの為に動いていただけ。

そう考えたら美那も変わりないのかな。



いや、俺はメリット目的で近付いてたのは1週間程度だったし、美那は三回の吸血を達成させるつもりだった。

しかも、知らないうちに一度終わらせているし。

その上、残り二回の吸血も狙っていただろう。


だから、同じ土俵には上がれなかった。


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