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50.助けてくれた夏都




ーー6月下旬のある日。

夏都は学校から帰宅中、向こう側に渡る橋にさしかかると、肩甲骨の下まである長い髪の1人の女子生徒が20代前後の男性2人組に声をかけられている所に気付いた。




「ねぇ、今から一緒に遊びに行こうよ。おごってあげるからさ」


「お姉さんめちゃくちゃ美人だね〜。よく言われるっしょ」


「うるさい。黙ってあっち行きな」



「うわぁ、お姉さんツンデレタイプ? そこがまたかわいいっ!」


「お茶かカラオケ行こうよ! お腹いっぱい笑わせてあげるから」


「私はあんた達がいる限り笑えない」



2人「…………」




派手な服装の男達に絡まれてピシャリとあしらっているのは紗彩。

夏都はすぐにナンパだと気づき、すかさず3人の元へ駆け寄った。




「河合、お待たせ。待った?」




紗彩は夏都の配慮に気付くと、髪をしならせながら横について首を横に振った。




「ううん。全然待ってないよ」


「この人達、知り合い?」夏都は男達に人差し指を向ける。



「知らない。気にしないで行こう」




紗彩はそう言うと、夏都と一緒に先へと足を進ませた。

諦めた2人組は小さく文句を言いながら背中を向けて離れていく。

紗彩達が15歩ほど歩くと、横目で男たちの様子を確認した。




「もういなくなった?」


「何処かに行ったみたい」




夏都はホッとひと息もらすと、紗彩は聞いた。




「どうして私をかばってくれたの?」


「友達だから……」



「えっ、私が……友達?」




夏都はコクンとうなずいて橋の手すりに両手をもたれかかせて、空を見上げながら言った。




「うん。……実は俺、気持ちを吐くのが苦手だった。悩みがあっても自己解決してた。それがいつしか雪だるまのように積み重なって自分の首を絞めていた事にも気付かずに……」


「……」



「そんな時、困ってる人を見かけて助けたら『ありがとう』って言われた。その『ありがとう』が何故か胸に響いて……。もしかしたら自分がこうして助けてもらいたかったんだなって気付いた。同時に待ち構えているだけじゃダメなんだってね。そう思うようになってから、誰かの助けになりたいって思うようになったから」




俺は頭の中で美那の事を思い描いていた。

最初のうちは怜への腹いせで意識してたけど、度重なるピンチを救ってるうちに自然と自分の弱点に辿り着いた。

次第に自分も救われていたんだと気付くようになってから彼女を見る目が変わった。


だから、吸血目的で近付いたと知った時は全てが白紙にされたような気分になって腹が立っていた。



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