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34.手違い




ーー場所はヴァンパイア界。

ブリュッセルは自室で金色のフレームで赤いクッションの王様椅子に深く腰をかけて目をつぶっていると……。


コンコン……


「失礼します」




付き人が背丈の二倍くらいある大きな扉の前で一礼した後、一冊の赤いベルベットのファイルを持って入室した。

ブリュッセルの隣につくと、横からさっとファイルを差し出す。




「こちらが先月人間界に出発した月間進捗一覧表とミッション達成度1の劣等生の報告書になります」


「ありがとう」




ブリュッセルはファイルを受け取ってミッション挑戦者のハートの数を確認した後、劣等生の報告書のデータに目を向けた。

そして、美那のページに差し掛かると、衝撃的な事実を目の当たりにする。




「何だ、これは……。ミーナの吸血相手は貧血者。しかも、貧血改善の為に食事の世話をして鉄分強化に尽力してるとは……」


「さようでございます。人間への情がミッションの妨げになってる模様です」



「ミーナは何をやってるんだ……。情けない。こんな劣等生は前代未聞だ! 同日に人間界に発った達成者は12名になったというのに」


「そろそろ次の手を打ってはいかがでしょうか?」



「うむ……、仕方ない」




ブリュッセルはそう言うと、眉間にシワを寄せながら再び手元の書類に目線を当てた。

ところが、ある項目に差し掛かった時、目が飛び出しそうなほど酷く驚いた。




「……ん……ん?? ……こっ、これは!」


「いかがなさいました?」付き人はコテンと首を傾けて問う。



「どうしてミーナを生みの母親の所に預けたんだ! それだけは避けるように口すっぱく指示したのに」




ブリュッセルは火山が噴火するほどの勢いで怒鳴り散らす。

焦った付き人は隣からそろっと書類を覗き込んだ。




「えっ、そんなバカな……。何度も確認を……」


「母親の恋沙汰の記憶を消して親子を引き離したのに、どうして我が子として出会わせるんだ!」



「申し訳ございません。何か手違いがあったようです……」


「今からでは手を尽くす事が出来ない……。仕方ない。このままおとなしく見守るとしよう」




付き人がブリュッセルに深々と頭を下げていると、扉の向こうに潜めているある者がクッと口角を上げた。


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