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11.夏都の悩み




ーー場所は、移動教室で理科室へ向かっている最中の下駄箱付近。

夏都がぼーっとした目で校庭でサッカーをして遊んでいる生徒を見つめていると、怜は筆箱と教科書を持ったままそっと隣に立って言った。




「お前、どうして中二の夏にサッカー辞めたの?」


「……お前には関係ない」




夏都はそう突っぱねて足を進ませるが、怜は唇をへの字にしながら諦めずについていく。




「同じ高校に入ったんだからさ。また一緒にサッカーやろうよ」


「やらないし、俺に気軽に話しかけてくんな」



「ね~ね~ぇ。そんな事言わずにさ! 俺ら二人三脚でやってきたじゃん。またあの頃みたいに頑張ろうよ」


「そんなの思い過ごしだろ」




夏都が冷たく吐き捨てて先に足を進めると、怜は背中に向けて言った。




「お前はどうしてそんなに変わっちゃったの? 人一倍サッカーが好きで、部活を辞める前はもっと自信に満ち溢れてたのに……」




怜の言葉を浴びた途端、夏都は一旦足を止めて唇をキュッと結んだが、返事をしないまま再び足を進めた。




「俺はお前の実力を知ってるから諦めないよ。いつでもいいから戻ってきて」




怜は廊下に吸い込まれていく背中に向けてそう言い続けても、夏都は反応しないまま理科室へと向かって行った。

すると、後ろから来た美那と澪が途中で2人の異変に気付いて少し早足で駆け寄る。




「ねねっ、また夏都とケンカ?」




中学生の頃から怜と夏都の距離感を知ってる澪はそう問い尋ねたが、怜は夏都の背中から目線を離さずに答える。




「いや……、なんでもない。それより美那っちの今日の髪型かわいくない? 俺、ゆるふわアップめっちゃ好き」


「あ、コレ? 今朝母さんが髪を結ってくれて。学校生活が楽しめるようにって願掛けしてくれたんだ」



「へぇ〜。いいお母さんだね! 今度美那んちお泊まり行きたいよ〜」


「是非是非〜!」


「ねぇ、俺も入れて〜。三人で川の字で寝よ。あっ、俺真ん中ね!」



「ばーか! 無理っ!」と、澪はグーで怜の腕をパンチする。


「いって! 澪〜、殴るなよ。暴力反対!」



「バカは放っておいてさ、行こ」




澪は膨れっ面でそう言って美那の腕を組んで先を行くと、怜は小学生のように唇を尖らせながら2人の元へ駆け寄った。


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