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プロローグ

「レジーナ・フォルスト!」


王立魔法学園の卒業式典の最中(さなか)、大広間の壇上から鋭い声がレジーナの名を呼んだ。


「聞け!」


そう声を張り上げるのは金の髪に新緑の瞳を持つ男。本来ならレジーナの隣に立つべき彼女の婚約者だった。今、彼の隣には清楚な黒髪の少女が寄り添う。その二人の周りには、学園の有力者である男達の姿があった。彼らは、たった一人の少女を守るようにして静かにそこに佇んでいる。


「プライセル、フォルスト、両家の名において宣言する!私、リオネル・プライセルとレジーナ・フォルストとの婚約をここに破棄する!」


衆目を集める中、朗々たる声でそう告げた男が隣に立つ少女を抱きよせ、その「大儀」を口にする。


「……君のエリカに対する所業はあまりに非道だ。これ以上、君の行いを看過するわけにはいかない」


正義を盾にレジーナの罪を断じる男の顔に苦渋が浮かんだ。


「レジーナ、残念だよ……」


酷い男。全ての非をレジーナに押し付け、己は何も間違っていないと嘯く男の真実を、レジーナだけが知っている。


男を見上げるレジーナの真っ赤な唇が、音の無い言葉を紡いだ。


うそつき――






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