表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

P2

 彼女がよく写真を撮っているのはクラスの誰もが知っている。スマートフォンのカメラ機能ではなく、淡いピンクの手のひらに収まりそうなサイズの、おもちゃみたいな可愛らしいカメラ――トイカメラという種類らしい――を常に持ち歩いているようだ。


 彼女の友達たちがスマートフォンで撮影する、大きくてきれいな夕日、可愛らしいキャラクターのアクセサリー、後で専用のアプリを使って編集するであろう自身の姿、等には興味がないらしい。


 ほとんど店が閉まっていてシャッター通りと化している商店街、ビルとビルの隙間狭い路地を歩いている野良猫、公園に子供があまり近寄らないせいか改修されることなくペンキが剥げて赤茶色の錆が見えている遊具、といった、あまり画面映えしなさそうな物を被写体に選び撮影しているのを何度もクラスメイトが目撃している。実は霊感があって、心霊写真を撮っているなんて噂まで出回っている。


 写真を撮るのが好きなのは知っていたけど、コンテストに出すほどに熱心だとは知らなかった。自分にはコンテストに出せるほどに長けたなにかの才能も、努力もしたことがなかったために、少し彼女が羨ましい。


「どう?」


 彼女が尋ねる。


「ごめん」


 僕なんかよりモデルに相応しい人物はいる。もし僕をモデルに選んだせいで、コンテストで落選をし、彼女の努力を無駄にするのは嫌だ。それ以上に、落選した責任を追求され、彼女のグループから目の敵にされてクラスに居づらくなってしまうのはもっと嫌だ。


「……そっか、残念」


 軽い口調で言い、また彼女は自分の友達の輪へと戻っていった。


 もう少し説得されるのを想定し、断る言い訳を考えていた僕は拍子抜けしてしまった。他にも頼める人間はいる。特別に僕じゃなければいけない理由もないのだろう。


 残念。

お付き合いいただき、ありがとうございます。

次回更新は明日(10月25日)を予定しています。

よろしくおねがいします。


また、感想、アドバイス、ダメ出しはご自由にお願いします。

とても喜びます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ