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「うーん……暇だなあ……」
談話室の椅子に座り、足をブラブラさせている。本当は魔法の練習をした方がいいと思うけど、そういう気分じゃないんだよね。
「だったらイザベルの所にでも行くか? 最近はずっと家の中にいたよな。たまには気分展開はどうだ?」
「それはクー兄様がイザベルさんのおっぱいを見に行きたいだけでしょ? 私もあのおっぱいは国宝級だと思うけどね」
アルスラーチに住んでいる人で趣味で庭に花を沢山植えている人だね。沢山の花を植えていて見ているだけで癒される場所だよ。
「……バレたか……。ツムギは分かっているな。やっぱりあのおっぱいは国宝級だよな。見てるだけで……こう、癒されるよな」
「クー兄様とが同じなのは何か少し嫌だけどね。……花は見てて癒されないの!? あの場所はとっても空気が澄んでいる感じがして私は好きだけどなあ」
「そ……そうか。俺と一緒なのが嫌なのか……。やばい、少し泣きそうだ」
クー兄様が悲しんでいる! クー兄様の事は好きなのに、嫌な気分になることを言っちゃったよ。何でこんなこと軽々しく言ってしまうんだろう……反省だね。
「ごめんね! 全然嫌じゃないよ! えっと……。何だろう。言葉にできないけど、クー兄様の事は嫌いじゃないよ。むしろ大好きだから安心してね!」
「俺も大好きだぞ! ……そうだな、たぶん俺がおっぱい大好きが大好きだからそれと一緒にされるのが嫌だったんだろう? ……だが、以外だな。ツムギは結構皆の胸を見ていたから胸が好きだと思っていたんだが」
ええ!? 皆の胸は見ていたけど、羨ましい、とか将来あのくらいの胸が欲しいと思って見ていただけだから!
「私が見ていたのは、羨ましいとかそういう感情でだから! 胸が大好きとかそういうのじゃないよ!」
「そうだったのか。ツムギが赤ちゃんの頃は、男女問わず胸に手を伸ばしていたからな。大きな胸には嬉しそうに手を伸ばして揉んでいたからな。それで今も女性の胸を見ているから好きだったと思っていたんだが、違ったのか」
……え? 私そんなことしてたの!? 恥ずかしすぎる! しかも何も覚えていないのが恥ずかしすぎる!
「私昔そんなことをしていたの!? 恥ずかしいよ! 恥ずかしすぎるよ!?」
「小さい頃はクリスも私の胸を揉んでたわね。久しぶりに私の胸を揉む? 久しぶりに私と寝る? 手とか口でやってあげるわよ?」
……う!? いきなりそんな話題出さないでよ! 顔が赤くなってるの皆にばれていないかな?
「すまん、母さん。俺はルーカ一筋なんだ。でも母さんの胸は大好きだ。そう言われると手が伸びてしまう。……自制心がなさすぎるだろ……俺」
「クリスはルーカが生まれてから私としなくなったわね。……少し寂しいわ。そういうことがやりたくなったらいつでも言ってね?」
「ルーカを見た瞬間に一目惚れをしたんだ。もう可愛すぎて可愛すぎてな。もちろん、母さんの事は大好きだ。でもまあ、そういうのはルーカだけだ。ごめんな母さん」
クー兄様はルー姉様に一目惚れしたんだね。今は相思相愛だからとっても良いね! ……でも、赤ちゃんを見て一目惚れしたって逆にすごいね。どういうことだろうね? 逆に聞きたいよ。
「気にしなくていいわ。これが親離れというものかしら。……あら? ツムギ? 顔を赤くしてるわね。もしかして照れてるの? 可愛いわね」
……もしかしてばれてた!? うううー!
「そ……そんなことないよ! 全然そんなことないから! 気にしないでね!」
「ふふふ……。見てるだけで癒されるわ。」
「ああ……。分かる。分かるぞ母さん。笑顔になるし反応が可愛いよな」
「……早くイザベルさんの所に行こうよ! 行こ、クー兄様!」
苦し紛れでイザベルさんを言い訳に使う。ごめんねイザベルさん。でも、この状況は仕方ないよね!
「ああ、分かった。行こうか」
クー兄様がからかっているような笑顔を浮かべる。……この顔はわざと話題を変えたのを分かってて同意していると見た! ばれてても気にしない!
クー兄様と家を出て一緒に道を歩く。後ろにはシャルさんが歩いている。私とクー兄様の会話には参加していない。前に一度、一緒に話そうよと伝えたけど、メイドだからという理由で参加をしなかったんだよね。実を言うと結構寂しい。談話室でも私が家族と喋っている時は、メイドさん全員見ているだけなんだよね。何で会話に参加しないんだろう……。家族皆は絶対に気にしないと思うんだけどな。
……と色々考えている内にイザベルさんの家に到着した。
「イザベルさーん! 遊びに来たよ!」
庭の椅子に座りながら紅茶を飲んでいる。……机の上に胸が乗っている。すごい。すごすぎる。
「あら? ツムギじゃない。もう言葉に言い表すことができないくらい可愛いわね。今日はどうしたの? 花壇を見にきたの?」
「うん。最近ずっと家にいたから散歩しにきたの!……イザベルさん大げさだよ!」
イザベルさんは、長身で背が高いの。顔も美人だし、胸も国宝級だし。花に囲まれていても似合っていると感じる。もしイザベルさんが花に囲まれている絵があったとしても全く違和感がないね。……実は母様より年上なんだって。正直びっくりだよ。そんなの言われなきゃ絶対に気づかなかったよ。
イザベルさんが何を言っているのこの子、という顔をしているような気がする。何で皆そんなに私の事可愛いっていうんだろうね。不思議!
「クリスもいるわね。もしかして私の胸を見にきたの? あなたも本当に好きね」
「んなわけあるか。と言いたいんだが、否定できないのがな……。そのおっぱいは見てて全く飽きない」
「あらまあ。そんなこと言ってくれるのは嬉しいわね。昔みたいに揉んでみる?」
「本当か! いいのか!?」
ルー姉様一筋じゃないの!? 簡単に意志が揺れすぎだよ! それって浮気だよね! わーわーわー!
「クー兄様! ダメだよ!」
クー兄様の手のひらを弱い力で叩く。
「落ち着けツムギ。今のはイザベルの話に面白半分でのっただけだ。ルーカ一筋だから安心しろ。イザベルも冗談だっただろ?」
「あら……。私は本気だったわよ」
クー兄様が凄く後悔してるよ!? もう顔を見るだけで分かるよ! 魂が抜けたような顔してるし……実は揉みたかったんだね。
「クー兄様……?」
「……すまん。大丈夫だ。実は少し後悔しているが、俺はルーカ一筋だからな!」
「何かその言葉が少し信用できなくなったよ!? 大丈夫だよね!?」
もう! まったく! ルー姉様はとっても可愛いんだからそれ以上を望む何て!
「少し怒っているツムギも可愛いわね。はー……。何でこんなに可愛いのかしら。私も子供欲しいわ」
「イザベルはまずは彼氏を作らないとな。まだ処女なんだろう?」
「ええ……。何でこうなったのかしらね。気が付いたらこんなことになってしまっていたわ。告白はされるのだけどね。その……子供にしか見えなくなってしまってね。そういう目で見れないのよ」
「そ……そうか。まあ、なんだ、強く生きてくれ。……だったら父さんはどうだ?」
あれ!? 父様がいない間に話が進んでるけど大丈夫なの!?
「それね! エドウィン、様だったらいいわね! そうしましょうか!」
「ちょ……ちょっと待って! 父様はこのこと何も知らないよ! いいの!?」
「ふふ……。冗談よ。ツムギは感情豊かね。表情が色々変わってみてて楽しいわ」
そんなこと言われたら誰でも表情変わると思うけど……。でも楽しいからいいよね!