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不幸だった女子高生は異世界で溺愛されます  作者: マスカットマウス
5歳以上編
6/12

5

「とーさま、とーさま! 魔法を教えてほしいな!」


 父様に抱き着きながら、上目遣いでおねだりをする。お願い! 魔法が使いたいこの気持ち伝わって!


「おう! いいぞ! 父様に任せろ! ……と言いたいところだが、セレスティアに伝えてからだ。許可は簡単に貰えるとはずだから一緒にお願いしに行こうか?」


 わーい! 父様に許可が貰えたよ! 後は母様だけだ! ふっふっふーこれは幸先いいよ!


「じゃあ今からお母様に会いに行こうよ!」


「よし。セレスティアは談話室にいるはずだから、一緒に行こうか」


 父様と手をつなぎながらドアを開ける。歩く速さを子供の私に合わせてくれている。父様が一人で歩く時はもっと速いのにね。こう、大事にされているのが伝わってきてとっても嬉しいな。笑顔になっちゃう。父様からしたら当たり前の事なのかもしれないけどね。そうだ! 魔法の事を聞いてみよう! シャルさんより魔法が上手く使えるって言ってたから気になっちゃうよ!


「父様って魔法を使うの得意なの? シャルさんがどれだけ使えるか分からないけど、父様の方が上手く使えるって言ってたんだ」


「ははは、知りたいか? 一様、俺は世界最強と言われているんだ。だから魔法もかなり得意なんだぞ 凄いだろう?」


 世界最強!? 初めて聞いたよ! こんなに優しいくて格好良いのに更に強いなんて! 完璧だよ! 私もそんな風に言われてみたいな!


「父様ってそんなに強いんだ! すごいすごーい! でも何でそんな風に言われるようになったの?」


 私に褒められたからか、父様の顔がにやけてる。あれー? 威厳が全然感じられないなあ、おかしいなあ? でも俺は世界最強だぞ! とふんぞり返る父様は嫌だな。家族が大好きな優しい父様が私は大好きだよ!! 凄いなー強いなー!


「そうだろう? 父様は凄いんだぞ! 色々あって、大きな町を攻め落としていたら結果的に国を一人で滅ぼしてな……。その時から世界最強と呼ばれるようになったんだ。とは言っても、お父様とお母様の方が強いんだけどな。正直敵う気がしない」


 お爺様とお婆様って父様より強いの!? この国は一体どうなってるの!? でもそのお陰で今とっても幸せで平和だから感謝しなきゃね。


「昔はどの国も戦争をしていたんだよね? 今があるのは父様やお母様。この国の皆で頑張ったからこそ平和なんだよね。本当にありがとう父様!」


「それこそツムギが気にすることはない。二度と戦争を起こさないために、どの国も協力しあっているんだ。だから大丈夫だ。安心しろ」


 はー……、優しいなあ、凄いなあ、本当に私この国のお姫様として生まれて良かった!


「父様、生んでくれて本当にありがとう! 大好き!」


 ……父様がゆっくりと抱き上げてくれて顔中にキスをしてくれる。えへへ、くすぐったくて恥ずかしいけど父様の顔が凄く幸せそうだから良いよね! 何も問題はないよ!


「俺もツムギが生まれてきてくれて本当に嬉しいぞ! 可愛くて愛おしくて優しくてもう全てが最高だ! やっぱり世界一可愛いな! 実はツムギが生まれた時に世界一可愛い娘が生まれた! と全ての国に伝えたから実はかなりツムギは有名だと思うぞ」


「ええ!? 止めてよ恥ずかしい! 私は大好きな皆とひっそりと暮らしたいのに!」


「傷一つすら絶対に負わせないから安心しろ。カルミラに住んでいれば安全だからな。皆ツムギの事を守ってくれるさ。……まあシャルロットもいるからな……」


 キャー! 父様かっこいい! カルミラに住んでる皆もかっこいい! 皆ありがとう!!


 ん? シャルさんがどうしたんだろう? ……あ! たぶん私の護衛なんだろうね! 言いずらそうにしていたことだから、何も聞かなかったことにしよう! 私を守ってくれてるんだ……えへへ。





 父様と一緒に談話室に入る。椅子に座りながら母様が紅茶を飲んでいる。クー兄様とルー姉様もいるね。メイドさん達は部屋の隅で立って待機しているね。座ればいいのにね。


 父様と別々の椅子に座って、父様と目を合わせる。……頷いてくれた。


「セレスティア。ツムギが魔法を使いたいと俺に言ってきてくれたんだ。魔法を教えてもいいか?」


 妙に『俺に』が強調されている気がする。気のせいかな?


「……ダメよ。魔法は10歳になってからでしょう?」


「っぐ! だがな、ツムギがおねだりしてきたんだぞ! 可愛かったんだぞ! な?魔法は俺が教えるからな? ツムギは俺の子だから絶対に天才だ!」


「……可愛いツムギが怪我でもしたらどうするの! 私泣くわよ!」


「っは! ツムギが怪我……ダメだ! 絶対にダメだ! 俺も泣くぞ! 魔法は10歳になるまで教えないことにしよう!」


 ……。私の知らない内に魔法を教えてもらえなくなっちゃった……でも早く使ってみたいの……


「かあさまあ、とうさまあ。魔法使ってみたいの……父様と母様の言うことは守るからあ……」


「あああ! ごめんねツムギ! どんな魔法でも教えてあげるから……ね? 泣かないで?」


「すまん! ツムギ!どんな魔法が使いたいんだ!? 集団無差別爆発魔法か! 津波を起こせる魔法もあるぞ! 楽しそうな魔法が沢山あるぞ!」


 怖いよ! 怖すぎるよ!? 何でそんな魔法しかないの!? そんな怖い魔法が楽しいってどういうことなの!? もっと安全な魔法がいいよ。


「父さんと母さん。一旦落ち着いた方がいいと思うぞ……。ツムギが使う魔法はこれでいいんじゃないか?」


 クー兄様が話し終わると同時に、クー兄様の目の前に浮いている光の玉? が何もないところからいきなり出てきた。ちょっと眩しね。しかも動いてる!? どうなってるだろう?


「確かにその魔法だったら危険も何もないわね……。ナイスアイディアよ! クリス」


「ああ……この魔法だったらなにも不安もないな」


「流石お兄様! 光を出す魔法だったら危険もないし安心して見ていられるわね。」


 皆が関心している。この魔法だったら大丈夫なんだね。……名前以外。


「そのまますぎない!? 何か他には呼び名はないの?」


「そうだな……強いて言うと、ライトボールの魔法だな。正直、魔法名にはあまり意味はない」


 う……? 魔法名には意味がないってどういうことなんだろう? 名前があってこその魔法だと思うんだけどな。


「どういうことなの? 何で魔法名には意味がないの?」


「はいはーい! ここは私が説明したい! 説明しても大丈夫?」


「む……、俺が説明をしたかったのだがな……。分かった。ルーカティア。できるだけ分かりやすく頼む」


 父様の代わりに姉様が説明してくれる。ワクワクドキドキ。とっても楽しみ!


「任せて! まずはね、魔法っていうのは自分の中のイメージが定まってからじゃないと使えないのよ。今、お兄様が光の玉を出す魔法。えーっとライトボールを使ってくれたんだけどそれを見ただけじゃ絶対に使えないの。お兄様にはお兄様のイメージがあるからね。結局は、魔法名がなくても全然違う魔法名でもイメージさえできていれば使えるの。この説明でツムギは理解できた?」


 なるほど……魔法はイメージさえできればどんな魔法名でも発動できるんだね。だから魔法の名前には意味がないんだ。


「うん! 魔法に名前が意味ない理由を私なりに理解出来たよ! ルー姉様ありがとう!」


「分かりやすくて完璧な説明だ! ルーカティアも説明してくれてありがとうな」


 父様が優しい笑顔でルー姉様の頭を撫でる。ルー姉様が恥ずかしそうにしながらも花が咲くような笑顔になる。はー……とっても綺麗で可愛い。


「ありがとうお父様! とっても嬉しいわ! 皆が分かりやすく説明してくれたお陰ね。」


 ルー姉様が言い切った感を出して、椅子に座りながら紅茶を飲む。頬が少しだけ赤くなっているね。照れ隠しなのかな?


「クー兄様、その光の玉に触ってみても大丈夫?」


「おう。大丈夫だぞ。熱くないから心配するな。」


 クー兄様が少しニヤニヤしながら言う。……どうしたんだろう? 何かおかしい事でもあったのかな? と光の玉に触れる。──あれ!? すり抜けるよ! 凄いねこれ。光だけを発している玉なんだね。どうなっているんだろう。光だけ浮いてるってどういうこと? 何で熱くないの?重力はないの? 何で空中で静止してるの? うー、分かんない!


「クー兄様すごいすごーい!」


「ツムギのキラキラしてる表情、可愛すぎるだろ……」


「えーっと次は魔法の使い方を教えてほしいな!」


 そうよ。これよ! 魔法の使い方。これが一番聞きたかったんだよね。


「魔法の使い方は私が説明するわね。魔法の使い方はどんな魔法を使いたいかを頭の中でイメージを明確にしてから魔法を使いたいと思うことね。簡単な説明だけど、これが全てなのよ。まあ、その魔法を何度も使って慣れてしまえば、何も考えなくても使えるようになるわよ。」


「そ……そうなんだ。やっぱりイメージが全てなんだね。でも、イメージが全てって教えてくれたけど何も考えなくても使えるのはどうしてなの?」


「ツムギは歩く時に最初は右足を前に出して次は左足を前に出して歩こう。って歩き方を考えてから歩いている? たぶん何も考えずに歩いてるよね?それと同じことよ」


 た、確かに……歩く時は何も考えなくても自然と足が進むね。それと同じことなんだね。


「なるほど……。魔法の使い方は分かったよ! ありがとう母様! でも、魔法って何なんだろう?良く分からなかったな」


「そうね……。魔法がなぜ発動するのは、正直分かっていないわね。魔力を使って発動しているのということしか分かっていないの。魔力は魔法が発動すると使われるの。魔力っていうのは、自分の中にある不思議な力の事よ。魔力に関しては年齢によって増える。寝たり食事を食べたりすると自然と回復するということしか分かっていないわ。」


 そっか……魔法が使える理由は分かっていないんだ。魔力は目に見えないからね。それを理解するのはできないよね。


「うんうん! ありがとう皆! 魔法について理解できたよ! ありがとう!」


「ツムギ? 10歳までは光の玉を出す魔法だけよ。魔法の練習は私達やシャルロットやメイドさんがいる前でしか練習しちゃだめよ? 10歳になったら色々な魔法を使えるからそれまで我慢よ?」


「うん! 分かったよ母様!」


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