第五話 一枚の依頼書
「ちょ、、え!?」
突然の発言に俺は度肝を抜かれた。
「何言ってんの?あなた、
その魔力、どう見たって、Sクラス以上じゃない」
「は?」
もう彼女が言っている一言一句が
訳がわからない
俺がSクラス以上?、未解決クエストに挑戦?
おいおい、一体どんな下りで
そんな突拍子もない話が進んでる?
「あなた、彼の魔力わかるの?」
クレアさんは不思議そうにミアに尋ねる
「え?、普通わかるものでしょ?」
「・・・、いや無理ね、」
真顔でそう返され、キョトンとする
「えー、そんなまさか(笑)
マジ?」
「「マジ!」」
彼女はいろんな意味で特殊らしい。
「とにかく、あんたそんだけ強いんだから
私と一緒に来なさいよ」
「え、、ええ、、」
一瞬の間に、
様々な不安要素が俺の頭の中を駆け巡る
「いいなぁ〜、若い人達は
クエスト使ってランデブーですか」
口を挟んだのは先ほどクレアさんに
スルーされていたロッカクさんだった
「こ〜ら、ロッカクさん!あんまり煽らない
未解決クエストですよ?」
「あ〜、、あれね、、」
少し、考え込む様子を見せると、
「ま、頑張ってよ。ビギナーズラックとかで
うまくいった例もちょいちょい聞くし」
そ、そんな寝そべったままチェス打って
無責任に答えられても。。
「とにかくうるさいわね。
男なら腹決めなさいよ!」
そ、そんな無茶苦茶な、
そもそもまだどこで何をするかすら見てないのに
「じゃ、とりあえず二人で申請かけとくわね
あと、場所が離れ小島だから船は自分たち
でよろしく」
「え、ちょ、待って!!」
ガチャン!!
俺の遮りも虚しく、あっさりと
クエスト受諾の印が押されてしまった
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さて、そんなこんなで俺は今
武器屋にクエスト準備に赴いている
クエスト内容はワイバーン40体の討伐、
場所は火山地帯だそうだ。
「耐久性は気になるとこだけど
ここ最近高いやつ減ってるのよね〜」
我が物顔で店を闊歩し品物を吟味しているミア、
俺は、、、
主なところでは父さんからもらった”アレ”
が使えるから、
このデカいオーバーコートが
むしろ空中戦では邪魔になるのではと
あえて軽めに的を絞ってみる
(あと、暑いの苦手だし)
「魔術師なら、大きなオーバーコートの方が
身を守れて安全なんじゃないの?」
「ああ、俺の使う魔法的にこっちの方が
都合がいいので。」
「そんな魔導士もいるのね。」
興味のほどはございませんって
風だな。
まあ、大概わかってたことだけど
シュィィィン...
ミアは店に雑に一緒くたにされている
剣の一本をとり、その刃先を
注意深く眺めている
ああ、そうだった、彼女、
剣士だっけ。
「ああ、お客さんその辺のもんは
使えないよ、もう何年も研いでないんだ」
店の奥からしゃがれた声が響いた
「え?」
「ああ、それレプリカね
買ってくれるお客さんがいないもんだけど
惰性で置いてるんだよ。
あんた、剣士なんだろう?」
「は、はい、一応...」
「何、恥じることでもないさ
この辺にはそういう変人がゴロゴロいるしね
久しぶりの新規お客さんだ。
サービスしよう。
剣見せてみな?」
ミアが言われた通り、剣を差し出すと
軽く叩いたりなどして
亭主はそれを確認している
「よし、これ研ぐか。
代金は銅貨10枚だけど、特別半額でいい」
「あ、ありがとうございます!」
慣れた手つきで剣を店の奥に持っていき、
ガサガサと何やら作業に入る
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「まいど〜」
よし、とりあえず買ったものは、
回復薬x6
水の魔石x2
通信用魔石x2
保存食x8
まあ、こんだけあればどうにかなる
ギルドに戻って、、
待て、その前にまず俺は
仮住まいを探さなくてはなるまい、
この無駄にでかいバッグを持って
クエストにいくなんて、想像したくもない
もはや罰ゲームだ
「あ、あの、ミア、、、さん?」
「ミアでいいわ。」
「え?」
「ミアでいいわよ
あんたがキョドってんの
なんか見ててイラつくし、、」
い、イラつく、、、
こ、怖いよ、礼儀を尽くしたのに
嫌われるって、一体どうなってんだ。。。
「み、ミア」
「何?」
「この辺に泊まれる場所知らない?」
「え?、、、うーん、
この辺だとまあボロ屋を合法だか不法だかで
運営してるカドノさんのとこだけど・・」
ん?、今聞き捨てならないことを
耳にしたんだけど?
明らかに大丈夫ではない
感じのソレではないか
「ほ、他には何か知らない?」
「ううーん、、あ!」
「何?」
きたか!!
「ギルドに社宅ってないのかしら?」
ズデン!!!
だ、、、駄目か、、、まあでも結局
マスターに相談するのが
1番現実的か。。
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「え?社宅?、、
まあそれに近いものならあるぜ?」
ほう、それまた意外
「この建物自体、
元は10人くらいで住む壊れかけの
シェアハウスを不動産屋から
二束三文でかっぱらったもんだしなあ。
今は、俺とクレア、ガキの大群で住んでるよ
確か、奥に一室余ってなかったか?
どうだった?クレアー!!」
これでもかとマスターは下に向かって大声を出した
「ああ、そうねー、、
いいんじゃないー?」
な、なんていい加減な...
「だとよ、、まあ、住みたきゃ好きにしな
飯は自炊するか、光熱費の一部をお前ら持ちで
クレアが作ってくれるようにするかの
どっちかだ。」
流石に、この歳になって
人様の飯にご馳走になるのは気が引ける
俺は他でなんとかしよう
「け、結構です」「お願いします!」
え?、彼女も俺の方を向く、
まあいいか、とにかく宿はどうにかなった。
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作者からの懇願
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お願いします。星一で良いんです
コメ欄荒らしても・・・いやそれはちょっとだけど
とにかく評価ください!マジで!!!