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第54話 アントンマンなら何をやっても許されるのか

 アントンマンの突然の乱入に事態を把握できないタン・バリン師ならびにアレカユイナの武装兵たち。というかヤスオ本人が一番ビックリ仰天。そんな彼らをよそに雄叫びを上げ突入してくるアントンマン。


「何者だ!? 構わん! 撃て! 撃て!」

 ズガガガガガガッ!!


 タン・バリン師の号令一下、ワサビニコフが一斉に火を吹く。が、委細構わず突っ込むアントンマン。すばやく体勢を低くし、最前の兵士の足元に対ボクサー用に編み出した強烈なキックを見舞う。

「うギャーッ!!」


 足も折れよと言わんばかりの蹴りを食らい、おぞましい悲鳴を上げのたうつ兵士。ちなみにその兵士は先刻、あの取ってつけたような小悪党ぶりを見せた兵士であった。

「待て! 撃つな! 撃つな! 同士討ちになるぞ!」


 撃てと言ったり今度は撃つなと言ったり、肝心の指導者がこんな調子なので兵士はますます混乱。やたらめったら銃を乱射。弾丸、跳弾飛び交う中、ヤスオ、ナイク、ウェド、ハカセムナッシーの4人は頭を下げて自身の安全確保に専心。


「ダッシャー!!」

「ぐわ!」

「ぎゃ!」

「イデデデデッ!!」


 兵士の一人は延髄斬りをまともに食らい、また別の兵士はクルスフィックホールドの餌食となり、またある者は卍固めによって葬られ、ついに全ての兵士がアントンマン一人によって斃された。


「ど〜ですかー!!」

 事態がいまだ飲み込めないナイクとウェドを尻目にアントンマンの呼びかけに応えるヤスオ。

「いや〜、マジで来てくれるとは思わなかったぜ〜。何でも言ってみるもんだ。おかげで命拾いしたぜえ」

 と、その時、ハカセムナッシーが叫んだ。

「ま、待つなっし! これはまずいなっしよ!」


 ハカセムナッシーの指差す方向に目をやると、タン・バリン師がタイヘーンスリーのコクピット目指してよじ登っていた。

「野郎! ドサクサに紛れてタイヘーンで逆転狙ってやがった! おいみんな、ヤツをコクピットに入れるんじゃねえ!」

 ヤスオの号令の元、4人が必死の投石を試みるがそう上手く命中するはずもなく、コクピットへの侵入を許してしまう。コクピットハッチを閉じ、タン・バリン師がコントローラーを握る。


「ふふふ。予想外の乱入があったが、やはり最後は神が勝利するのだよ。このスーパーロボットの試運転の相手には少々物足りんが、貴様ら全員こいつで始末してくれる!」

 コクピット内で独り言をまくしたてるタン・バリン師。

 

 ズゴゴゴゴゴゴ!


 動力が入り動き始めるタイヘーンスリー。

「こいつはヤバイぜ! おい、お前ら! ここは戦略的撤退だ! とりあえず今は生き残り最優先だ!」

 その場から逃れようとするヤスオ以下4人。そうはさせじと両腕をガオーと上げるタイヘーン。

「馬鹿め! みすみす逃すと思うか! 貴様らは全員ここで死ぬのだ! 食らえ! スパーロボット〜、ストーンプ!!」

 ちなみにストンプとは踏みつけのことである。5人まとめて踏み潰すべくタン・バリン師が十字キーを押し込んだ直後であった。


 バキン!!


 突如、タイヘーンスリーの両足が膝からポッキリ折れ、コクピットにタン・バリン師を抱えたままタイヘーンの上半身が勢い良く地面に落ちた。

 その様子を見たウェドが小声で呟く。

「あ……あれは……僕がスポット溶接で接いだとこだ……」


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― 新着の感想 ―
[一言] まあ、そうなるよな(笑)。
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