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第50話 策士たちの饗宴

 ヤスオに命令を拒否られ狼狽えるタン・バリン師。

「え? なにそれ? さっきまでちゃんと私の術にかかってたよねえ? なんでいきなり冷めた顔してんの?」


「バカが! まんまと引っかかりやがったな! 俺がわざとテメエの術にかかったふりしてたのにも気付かねえとはな! おかげで時間稼ぎさせてもらったぜ! そんだけ俺の演技が迫真だったってことだなあ!」


 ヤスオの啖呵にハカセムナッシーが息も絶え絶え疑問を呈す。

「そ、その時間稼ぎって、必要だったなしか? だいたい、演技にしては迫真すぎるほど手加減なかったなっしが……」


 ハカセムナッシーの疑問を華麗にスルーするヤスオ。


「時間稼ぎはもう終わりだ! このペテン野郎が! 今日がテメエの命日だ!」

 そう言うとヤスオはこれみよがしに転がってたハンマーを拾い上げ肩に担ぐ。ガチで命の危険を感じたタン・バリン師が尻餅をつく。


「ちょ、ちょっとまて! さすがにそれはマズイでしょ! 教育上もよろしくないでしょ! そんなもんで殴られたらほんとに死んじゃうよ? 殺人犯になってもいいんですか? 三族まで後ろ指さされますよ?」

「黙れ! この世には2種類の人間しかいねえ! 殺される奴と殺す奴だ! テメエが殺される側の弱者だったってことだ。観念しろや!」

「いやその二択どう考えてもおかしいから! 唯一無二の世界観だから! そんなことハッタリでも口走ってたらいろんなとこから抗議来ますから!」


「ゴチャゴチャうるせえ! これはまずテメエに豚にされたナイクの分!」

 ゴチャゴチャ言いながらトリプルHよろしくハンマーを振りかぶるヤスオ。その切っ先がタン・バリン師の脳天に狙いを定めたその時であった。


「タン・バリン師! ご無事ですか!」

 突如ワサビニコフを構えた生き残りの精鋭部隊がドヤドヤ踏み込み形勢逆転。ヤスオは目にも止まらぬ速さでハンマーを投げ捨てホールドアップ。タン・バリン師が会心の笑みで立ち上がる。


「愚かな奴よ。さっさと私を殺せばよいものを、要らぬ情に流されるからこういうことになる。はあ〜あ、やはり人間とはかくも不完全な生き物なのか」

「くっそう……しょうもない時間稼ぎしやがって。こんなんで勝って嬉しいのかよ!」


 ヤスオの悪態にツッコまずにはおれないハカセムナッシー。

「いや、てゆうか、そもそもハカセボコってたのが意味不明な時間稼ぎだったなっし……」


「おっす! 俺、今北ヤスオ! いやー、とんでもないことになっちまったなあ。俺もオッサンも敵に囲まれ絶体絶命! かと思われたその時、俺の中に眠る勇者の血が突如覚醒! 華麗な2丁拳銃と格闘術でテロリスト共に反撃開始だ! しかしタン・バリンの野郎が妙なクスリを使って化け物に変身しやがったからさあ大変! 俺のピンチはまだまだ続くぜ。次回、スーパーロボットタイヘーン、第52話。『お待たせ! 破天荒死郎』! 絶対見てくれよな!」


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