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第30話 結成! 奪還野郎Aチーム

「いやー、参りました。荒野を走っているといきなり飛び蹴りが飛んでくるとは。さすがは中東、いかなる時にも油断は禁物です」

 そう言いながら車に戻ってきたドライバーはあのスクラップカーブローカーズのMC、ナイクであった。ハカセとヤスオは驚きを禁じ得ない。


「あっ! アンタ、ナイクじゃないか!? 生きてたのか!?」

 車上でホールドアップする二人を認めたナイクも驚いた様子を隠さない。

「おや? 誰かと思えばスーパーロボットのオーナーさんではありませんか。こいつは驚きです。中東を走ってて意外な人物に出会いました。世界は広いようで意外と狭いようです」


 ナイクは相も変わらず番組調での解説を忘れない。


「それじゃあ、この後部座席にいる男は……」

 二人が振り返るとやはり思ったとおり、後部座席でショットガンを向けていたのはもう一人の番組の顔、メカマンウェドであった。

「なんだい? てっきり中東の盗賊団か何かかと思ったけど、キミの知り合いか?」

 ウェドが銃口を上に向けた。やがて日も陰ってきたので四人はその場でキャンプを張ることになった。



「しかしてっきり殺されたもんかと思ったぞ。確かあの番組の最後でアンタ撃ち殺されてたよね?」

 四人が焚き火を囲んで食事も終わった頃、ハカセが疑問をナイクに向ける。


「ええ! あの時はさすがに私も終わったかと思いました! しかし奇跡的に一命を取り留め、病院に運ばれたのです。なんでも体脂肪に守られて銃弾も貫通できなかったそうですよ。イエーイ!」

 ナイクが隣のウェドとハイタッチを交わす。


「ずいぶんテンション高えな……ま、助かったのは何よりなんだが、それがまたなんで中東くんだりまでやってきてど派手な軍用車乗り回してんだ?」


「それですよ。私が不甲斐ないせいでせっかくレストアしたスーパーロボットが奪われるエンドに視聴者から苦情が殺到したらしいのです。そこでディレクターが苦肉の策としてスーパーロボットを私自らが取り戻すという企画を思いつきましてねえ。いや、さすがに私も反対しましたよ? でもプロデューサーがこれは新たな鉱脈になると踏んで、乗り気になってしまったのです」

 次いでウェドが口を開く。


「おかげで取材クルーもなしに僕までこんな危険な仕事をさせられる羽目になっちゃった、てわけさ。もう、勘弁してほしいよ」

「そう言うなよ、ウェド。早速、スーパーロボットの元オーナーに出会うというサプライズにも恵まれたじゃないか。こいつは幸先がいい。視聴率もガッツリ稼げるぞ」

 言いながら自撮りするカメラに笑顔とピースサインを収めるナイクとウェド。


「その海外番組的な陽気なノリはやめてくんねえかな……しかし取り戻すにしてもとても交渉できるような相手じゃねえぞ。もっとも、そんな相手なら端から銃器で武装して売り主を撃ち殺そうとしたりしはないと思うけど」


「モチロン、私達とて話し合いで解決しようなどとは思ってません! 危険をかい潜ってテロ組織のアジトに潜入し、スーパーロボットを取り戻すという今までにない一大ドキュメンタリー企画を成立、成功させるつもりなのです。多少の荒事は覚悟のうえです!」


 このナイクの言い分にハカセがヤスオを肘でつつく。ヤスオも頷きで返す。タイヘーンを取り戻すため、このナイクとウェドは利用できると判断したのだ。


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