第2話 出たなツインテール
バタバタバタ……
勝利したタイヘーンスリーの上空をマスメディアのヘリが旋回する。搭乗した美人レポーターがカメラに向かって熱弁を振るう。
「ご覧ください! この惨状を! あの巨大ロボットはこれで10週連続して市街地で大破壊を引き起こしています! あのロボットは本当に私達人類の味方なのでしょうか!? 一部ネット民の間ではケンメリ合衆国と現政権が結託して日本全土を焦土と化す計画が秘密裏に行われていると囁かれています! では、スタジオに返します」
一方、タイヘーンスリーは地球防衛東部方面国家機構、通称エデンの基地に帰還。機体から降りたパイロット3人がハイタッチを交わす。
「イッエーイ! 連戦連勝! さっすがアニキ! ボクのアニキが一番タイヘーンをうまく使えるんだ!」
そう言うのはタイヘーンの設計者にして2号機パイロットの節喜国ありす。ちなみにアニキとはヤスオのことである。
「見てくれ! 僕の両大腿筋も喜びのあまりピクピク痙攣してるよ! これはきっと荒死郎くんに祝福のキスをして欲しいに違いない! イヨッ!」
3号機パイロットの早乙女早苗が相変わらずのパンイチでヤスオににじり寄る。もちろん男のフトモモにキスする趣味などヤスオにはない。
3人がそんなやりとりをしている中、いちおう司令官的立ち位置の権護道段、通称ハカセが渋い顔をして割って入ってきた。
「勝利の余韻に浸ってるなか悪いが、フィクサーXはかなりご立腹だ。市街地の被害が甚大だとな。今夜は全員で大反省会だそうだ」
ハカセの言うフィクサーXとはエデンの黒幕的人物である。その正体は超議院議員、鴨葱正太郎であることはみんな知ってることなのだが、トップシークレット扱いなので知ってて知らないフリをするのが通例となっている。ハカセの言にヤスオが苦言を呈する。
「あのオッサン、相変わらず保身しか頭にねえな。こっちはスーパーロボットで市街戦やらかしてんだぞ。建物への被害くらい大目に見ろってんだ」
「お前の気持ちも分かるが、そういうわけにもいかん。党役員会議も近いからな。Xにはそれなりのポストに就いてもらって、エデンの地位向上に一役買ってもらう必要がある。ここは我々も一致団結してXの入閣に協力しなくてはな」
〜翌日〜
「ふああ〜……昨夜は鴨葱のお説教くらって寝不足だぜ〜」
下校しながら寝ぼけ眼をこするヤスオ。寝不足であろうがなかろうがいつもの下校風景である。
「ヘイ! ちょっとそこゆくお兄さん! 学校帰りにアツアツのたこ焼きでも食べていかない!?」
ヤスオが振り向くとそこには何故かたこ焼き屋アルバイトに精を出す金髪ツインテールの留学生、エリザベスがいた。
あとがき
歴代ガン◯ムのサブタイを全話でパクろうと思いましたが2話めで断念しました。