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第18話 賛成してほしいな

「なんだと? 言うに事欠いて俺に代わってタイヘーンのパイロットになるだ? お前の頭がどっかイカれてるのは以前から薄々気付いてたがバカも休み休み言え。少年漫画じゃあるまいし素性もよく分かんねえ奴をホイホイ仲間に加える危機管理能力ゼロの組織なんか現実にあるわけねえだろ。おいオッサン、この完全に頭のイカれた脳内お花畑中二病女にさっきみたくガツンと言ってやれ」


「承認!」


 いきなり親指を立てるハカセ。

「は? 承認? それは俺の意見に対して言っただけで、まさかエリザベスの無茶な要求に対しての承認じゃあねえよな?」


 ヤスオの疑問も構わずハカセはヤスオを押しのけ立ち上がる。


「エリザベス君と言ったね。タイヘーンのパイロットになって命を張ってまで世界を守りたいという君の志、このハカセがしかと受け取った。我々エデンは君を歓迎しよう。これからよろしく頼む。新パイロット、エリザベス君!」


「おいこら、ちょっと待て。なに素性の分かんねえ奴を少年漫画みたくホイホイ仲間に引き入れてんだ。大体もうメンバー枠一杯だぞ。リザーバーとしてこの女を雇うつもりかよ? 俺としては激しくめんどくさいことになるから強く反対したいけどな」


「いや、リザーバーなどではない。彼女には今日から1号機の正パイロットとしてメンバーに加わってもらう。荒死郎、悪いがお前は今日限りでお役御免だ。今までご苦労だった。なに、心配はいらん。ありす君と早乙女君にはハカセが責任持って説明しておく」

「とうとうお前ボケたのか。俺を切ってこの女をパイロットに据えるメリットなんかどこにあるんだよ」


「この際だから正直に言おう。ハカセはタイヘーンのパイロットをお前がやってることにずっと疑問を抱いていた。ひょっとしてお前なんか誰も求めていないんじゃないのか? と。メインパイロットにはもうちょっと華があるべきではないのか? と。彼女を見ろ。見た目は少し痛いが、お前よりずっと画面映えはするし年頃の女の子ってのもポイントが高い。いや、ひょっとするともう女の子ではないかもしれんが、それはこの際どうでもいい。はっきり言ってメリットばかりだ。もうお前みたいなひと昔前のパイロット像なんか今時ウケないんだよ。これからは美少女パイロットの時代なのだ!」


「その価値観の方がどっかひと昔前のような気がするんだが……お前正気か? その程度の理由で俺をパイロットから降ろしてこの女を採用する気かよ」

「言われるまでもない。実は今まで黙ってたが、お前に代わって年頃の美少女をパイロットにすべくこっそり募集かけてたんだが、応募が全くないんで正直諦めてたんだ。しかしお前の知り合いが自分から名乗りを上げてくれたのなら話は早い。こんなチャンス、みすみす見逃す手はあるまい」

「……冷静になってよく考えろよ。この女をタイヘーンのパイロットにするってことは、あのクイーンミダラのベリエザスと毎週戦うことになるんだぞ。名前もキャラもかぶっててめちゃくちゃ紛らわしいうえ、犬も食わねえような見苦しい戦いにしかなんねえのは容易に想像つくだろうがよ」

「それもまた興味深いではないか。女王ベリエザスと戦うタカビー美少女パイロットのエリザベス。お前がパイロットやってるより面白そうだし需要もあるかもしれん。キャットファイトが大好きな男子とか意外と結構多いみたいだし。ああ、ベリエザスの次の襲撃が今から待ち遠しくてたまらない!」


 ヤスオとハカセが掴み合いを始める一方、エリザベスはすっかりその気になってしまっていた。


「なかなか話の分かるおっさんじゃない。それじゃあ、早速タイヘーンのところに案内してもらえる? 荒死郎よりずっと華麗に乗りこなしてご覧に入れるわ」


 と、ハカセがいきなりヤスオの肩に腕を回し、エリザベスから距離をとり、小声で耳打ちする。

「おい荒死郎、どうする? 彼女、もうやる気満々みたいだぞ? こんな状況でタイヘーンはもうないとか言えるわけないだろ。どう説明する?」

「俺に聞くんじゃねえ! お前がタイヘーンを売り飛ばしたうえ俺を一方的にパイロットから降ろしてあの女を独断で採用するとか言い出したんだろうがよ!」


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