第11話 タイヘーンバージョンアップ計画
ウェドのレストアはなおも続く。画面はうって変わってコクピットのシートに座ったウェドが映し出される。
『ボディの構造はよく分からないので、ここは目先を変えてこのコクピットから手を付けていきましょう。ご覧のように、このロボットはゲームのコントローラーっぽい操作システムを採用しています。が、この古臭いデザインはあまりにもイケてません。これではとても高値は期待できないので、もっと洗練されたコントローラーに交換します』
言いながらコントローラーのコードを無造作にハサミでちょん切るウェド。
『さて、お次はピエールに頼んでアマゾネスで買ってもらったこの中古のグリップ付きコントローラーを接続します。中古とはいえ、潰れたゲームショップの処分品のようで新品同然です。ネットにはこういう掘り出し物が結構転がってます。購入価格はたったの50円です』
「バカかコイツは。いくらゲーコンにしか見えないコントローラーでもモノホンのゲーコンで動くわけねえだろ。きょうび、小学生だってその程度の想像はつくぞ」
モニターにツッコむヤスオを余所にウェドのレストアは続く。
『この新しいコントローラーのコネクタを互換性の高いものに交換しました。これで無事に動いてくれればいいのですが。もし動かなければナイクが激怒するのは確実です。無事に動くことを祈りましょう』
ウェドがコネクタを差し込んでボタンを押すとタイヘーンが起動。
『無事、動きました。操作性も良好。交換は大成功です』
「信じらんねえ。ずいぶん簡単そうなシステムだと前々から思ってたが、ここまで親切設計だったとはさすがに思わなかったぞ。パイロットの俺もビックリだぜ」
ヤスオがツッコんでる間にウェドは交換した元のコントローラーをゴミ箱に放り込む。
『デッデッデーン、デレレレーン』




