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『まつろわぬ民』の嫁探し奮戦記  作者: 焚火カレー
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 「そんじゃ、行こうか。」


 「うん♪」


 結局俺たちは森の外へ出ることにした。


 トモコによれば、嫁探しをする前に俺は常識というものを身に付けなければならないらしく、旅をするなり、どこかの町で仕事をするなりして沢山の人と交流をすべきだと言われたのだ。


 もちろん、トモコ自身にとっても必要なことだということもある。


 そもそも、トモコが8歳の時に地下牢に入れられた訳だが、今がそれから何年経っていて自分が何歳なのかも知らない状態なのだ。


 流石にそれでは落ち着かないというし、王国がその後どうなったのかも知りたいと言うので当面はあちこちの町を転々とするか、気に入った町や仕事があったら腰を落ち着けてみるか、要は何も決めてない行きあたりばったりだ。


 どのくらい行き当たりバッタリかと言うと、箱入り娘と世間知らずが連れ立って旅をするんだから分かるだろう。


 因みに旅立ちに先立って、改めてトモコを『マイスペース』の中に連れて行き、じいちゃんとばあちゃんの遺品を入れてある部屋に連れて行ったのだが、これも中々に苦笑いする結果に終わった。


 何しろ俺にはそれらの遺品(金貨とか服に装飾品に家具に武器防具等)は想い出はあるけど必要のないものばかりだったので、価値が分からない。


 トモコの方はと言えば王女から囚人に直行という人生なのでお金だって使ったことないし、武器防具なんかだって使ったことがない。


 辛うじて服とか装飾品とか家具は王城にあったのと同じくらいの品質っぽいと言われたけど、所詮子供の感覚だから当てにはならない。


 その辺も含めて分からないことだらけだが、まあいざとなれば森の家に直ぐに帰れる訳だし、分からないからって何もしなければずっと分からないままだ。


 取り敢えず遺品の中から服を見繕った。


 俺はじいちゃんのがそのまま着られたので、動きやすそうなズボンとシャツを選んだ。


 色々とヒラヒラのついたゴテゴテしたのもたくさんあったけど、じいちゃんが着ているのも見たことないし、俺も別に着たくはない。


 足は裸足でズボンとシャツは肌触りがいい布製のもの。


 色は下が黒で上が緑だ。


 森の中でも然程目立たずに済むだろう。


 トモコの方は大変だった。


 まず、あった服の数そのものがじいちゃんとばあちゃんでは雲泥の差だったので目移りしたトモコが候補を選び終わるまでに物凄い時間がかかった。(どうしてこう辛い待つ時間は長く感じるのだろうか)


 その後、サイズが全然合わないので直さないといけないんだけど、結局服を服の状態で直すのは無理だったので、ばあちゃんには悪いけど緑色のワンピースをバラしてシンプルな半袖のワンピースを作らせてもらった。


 この形ならばあちゃんが良く着ていたし、俺も毛皮から作らされたことが何度もあるので何とかなった。


 靴がどうにもならなくて難儀したけど、これも毛皮を使って何とかそれっぽくできた。


 俺みたいに裸足で石や棘を踏んでも傷一つ付かないように鍛えられていない柔らかい肌を持つトモコならではの必要アイテムだな。


 いや、でもばあちゃんも靴は履いていたから、男と女の差なんだろうか。


 前に王城まで旅をしたときにもう少し観察しておけばよかった。


 そんな苦労の甲斐あって、どうにか服装を整えた俺たちは、不安と好奇心を胸に森の外に向かって出発した。


 因みに、家が傷まないように俺がこっそり魔術を掛けておいたのはトモコには内緒だ。

アッテ家家訓

『完全個室マイスペースは存在そのものを隠すこと。見つかったら面倒は避けられないのだから。』

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