如法暗夜
暗く、壁も天井もあるかわからない。
ただぼんやりと自分の周りが明るいだけ、
持ち物はランプのみ。
此処が何処かはわからない。
何故此処に居るのかもわからない。
でも、1つだけわかることがある。
進まなければ。
1日目
ランプを持ち、ひたすら歩いた。
此処は暖かくも寒くもない。
気配も感じ取れない。只暗いだけ。
眠くもならない。でも疲れは感じるようだ。
ランプのオイルを使い、
火をつける。ほんのり温かい。
もう少ししたらまた歩き始めよう。
2日目
今日は新たな発見をした。
喉の渇きや空腹感、便意等の生理的現象は
如何やら起きないらしい。
腹も空かないなんて可笑しな事だ。
ヘンナ感じだ。
3日目
今日は穴を掘れるか試してみた。
結果は駄目だった。
人工芝?のような感じだった。もう1つ試してみた。
声を響かせ、広さを調べた。
かなり響いた。此処は果てしなく広いようだ。
…私は進む以外の道はないのだろうか。
4日目
此処に来るまでの自分は何をしていたのだろう。
思い出そうとしてみたが、駄目だった。
何も思い、出せない。
けど、自分はとても疲れていたような気がする。
理由はわからないが。
5日目
今日は暇(何時もだが)なので歌ってみた。
とても楽しく感じたが、何故か涙が出てきた。
何処も痛くないのに、何故?
涙が止まらない。
6日目
今日は寝てみようと思い、寝てみたが眠れない。
眠気がないからというのもだが、頭の中で誰かが
進め。進め…と言っていた。
進まなければいけないのだろうか。
7日目
今日で1週間だ。
未だに此処から出られてない。
此処は何処なのかもわからない。
何も、わかっていない。
一体此処は何処なんだ。
12日目?
だいぶ日が経ったようだ。
お陰で何日目かわからない。
16日目?
最近、ペンを持つのが辛くなってきた。
理由は何だ?
わからない。
何も、わからない。
18日目?
暗い、わからない。
何処、わからない。
何故、わからない。
此れは、わからない。
私、わからない。
何も、わからない。
痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい
ツライツライツライツライツライツライツライ
ツライツライツライツライツライツライツライ
コワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ
コワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ
ナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデ
ナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデ
ドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコ
ドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコ
ワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイ
ワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイ
「ナンデ?」
?日目
ここ数日の記憶がない。
私は何をしていた?
ワカラナイ。
頭痛がする。少し休もうか。
??日目
先が見えない。
終わりがない。
…けど、私は進まなければ。
この『如法暗夜』の道を。
?日目
明かりが見えた。
出口のようだ。
アレをくぐれば出られる!
私は進む。あの出口へ―――――
―――――手記は此処で途切れている。
この話は今、逆境に居る貴方。
つまり、貴方の物語。
光とはどんな形であれ、存在する。
何処にあるかはわからない。
今はそれどころではない?
あの人は如何なったか?
……さぁ?
…とりあえず、我が言いたいのは
「何時かきっと見える」
貴方の中の『如法暗夜』の道で。
では諸君、機会があったら
また会おう。
初めて短編を載せました。
評価をして頂ければ、我はまた新しく
書くと思います。
此れから江川乱龍を宜しくお願いします。