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恋患いと悪い蟲  作者: 砂七布巾
7/7

其ノ七 続先生と臭い酒のカミ

自称神様は書いててけっこうアブナイ奴やなぁと思いました。

――私は自称カミとの邂逅中であった――


 だいぶ酔っ払いの自称カミことバックスはどうも踏んづけた事にご立腹であるらしい。が、しかし、そもそも廃ビルの床でひっくり返ってる方が悪いのだし、未だにまだ私は金銀財宝、改め、買って来た水の報酬も貰って無いのである。そう、ビビらされた事も含めて私の方がご立腹なのである。あれ?なんか腹立って来たゾ?


「バックス、ここ、入ってはいけない! ダメ! ノー! 絶対!」と何故か私も片言になる。


「ワたし、カミさま、ダメなイ! 絶対!」

 一方のバックスも何故か神様キャラでいくつもりらしい。困ったカミ様である。(白目)


 両者睨み合いの状態である。が、しかし、廃ビルへの不法侵入が一番ダメ絶対なのであった。


 ここは一つこの世間知らずの酔っ払い(カミ)に一歩譲ってやって、とっとと御退場願おうではないか。そう、私の部屋では愛しのベッドが待っているのだ!


――はぁ、と息を吐いた時「あなタ、バックスのコト、ウソツキとオもってイる!」


 おっと、思ってる事が口に出ていましたか。


「チガう、バックスはカミだカラ、あなタのおもウことわカる」


――よし、ならばやってみるが良い。今すぐ私を愛しのベッドへ連れて行ってみろ!と思った瞬間であった。


「其願い叶えよう」


 さっきまでと全く違った威厳のある声と流暢な日本語がバックスから飛び出した。そしてなんか目が光って…え? 光ってる…!?


「ニンニクマックス! カライネ! カーライネー!!」


 バックスが私に手を翳した瞬間、むあっとアルコールとニンニクの匂いが立ち込め、「くっさっ!?」私はえずき目を閉じた。




 一方その頃、不夜城と化したネオン街では食い過ぎで飲み過ぎた中年せんせいがゾンビの如く「うーうー」言いながら物凄い鈍い速度で彷徨っていたのであった。


――時は少し遡る――


『①安い酒と人情倶楽部ら・ら・ばい』


「あら、藪先生いらぁさぁ〜い」


 もう既に出来上がっているであろう年齢非公開の美女(23歳から誕生日が来なくなっちゃったの♪)蒼葉あおばちゃん。 間違っても名前を呼ぶ時は噛んではいけない倶楽部ららばいのママである。


 昔、酔っ払い泥酔した挙げ句「あ、(ゲップ!)おばちゃん!」と呼んでしまい、物凄い笑顔からの一発えぐりこむストレートで酔いも吹き飛ぶ良いのを貰っている。

 も、勿論、ふ、普段は可憐な花である。いや、本当! 絶対!


 『②その隣の店』(蒼葉ちゃんと同伴)


 もう食えない、もう食えないと言ったのではあるが「もう、先生ったら。 はい! あ〜ん♪」と育ち盛りの雛鳥もかくやと言う丸呑みでうがうがと色々な物を丸呑みにした。(この頃から何故ここに来てしまったのかと後悔をしたが、日頃のツケがあるので来ないと言う選択肢は無かったのである…)


 『③その隣の隣の店』(勿論。蒼葉ちゃんとだともっ!)


 もう飲めない、もう飲まない!と言った?言った言った!のであるが「え? あたしのお酒飲めないの♪」とウフフと微笑む彼女からの圧…熱い! 眼差しには、漢として応えなくてはナニカが廃ると…あの八岐大蛇もかくやと言う蟒蛇うわばみっぷりを発揮し何とか(もう何回吐いたか覚えてはいないが)耐えた。(耐えてない)


 『④蒼葉ちゃん宅…』


「も! もうしない、もうツケしない。ツケなんぞするわけない!! 御慈悲をぅ…御慈悲を……」と同情を誘い、蒼葉ちゃんがちょっとお花を摘みに行っている間に出来る限り速いウサインボルトもかくやと言うスピードで命からがら逃げ切ったのであった…。


 日頃の怠惰な生活の成れの果てにだるだるにダレ切った身体を酷使したせいで心臓はたぶん五年程寿命をちぢめ、血中のアルコール濃度は限界を突破したのである。もう…この、モノローグですら…限…界。()


――そして、今現在の先生は意識をアルコールの海に解き放ち、ゾンビの如くうーうーフラフラとネオン街を行くのであった。――

先生はモノローグすら手放したっ。(ノ)'瓜`(ヾ)

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