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02 残り物


 魔物の死体を解体し終え、ローブの少女は一息つく。



「おっけーー。――じゃ、帰ろっか?」

「「待ってたんだよ!!」「です!!」」



 と、ハモる2人。



「あれー? あ、うん、有難う!」



 とニコニコと感謝する少女であった。



「ッふ、ここまでくると筋金入りだな」


「ええ、なんというか――凄いマイペースですね」


「え、えっとぉ……それで」



 と、聖職者の少女。



「ん? まぁ、帰還すっか?」


「……。ッあー、把握しました」


「僕も」


「……はい」


「――え。な、なにがだ?」


「前衛が……」

「陣形ですね」

「ご飯」


「「「…………」」」


「あれー?」



 ――ばらばらのようで2分されていた。



「か、帰るって言ってるじゃないですか!!」


「そうですよ! リーダー帰っちゃったんだから危険です!!」


「っああーー! それで帰りが心配なのか!! 前衛が足りないな……」


「だってこんなに暗いしぃ……そろそろ夜じゃない? 腹が減っては戦はできぬーー」


「「「あっ」」」


 …………



(((どうしょう)))



 と3人は深刻そうな顔をする。



 ――このPTはソードマン、パラディン、スカウト、プリースト、メイジの5人PTだった。――――だった。

 しかし、ソードマンが抜け――壁役1人に補助4人のような状態に陥っているのだった。


 更に、その戦い方にも問題があった。

 ――ソードマンがいた先ほどまでは、直列に並んだ中間にメイジ1人をくっつけ、T字~Y字型になり、壁を背にして戦うような戦闘をしていた。

 前方片側はソードマンが狩り、もう片方はパラディンが受けて時間を稼ぐ。そして、左右から来る魔物はメイジが範囲で薙ぎ払い、スカウトとプリーストが中心から支援する。というような戦いだったのだ。



 ――そんな陣形から、前衛のそこそこ硬い職が空き――どうやって戦えばいいのだろうか?

 そのことに3人は頭を悩ませているのだった。



 そして




 ――――夜は魔物がより狂暴になり、強い個体も広範囲に徘徊するのである。





 が、



「えー? 盾が2人を抱えて僕が後ろを塞げばよくない? ――あ、前後逆か!」


「――は?」


「え?ちょ…………え”ッ? もしや、貴方が前に出るんですか?」


「え、ええ!! 危ないですよ!?」


「――というか、前をウロチョロされると邪魔だし」


「「「…………」」」



 絶句である。



「ハ、ハハハ……もう、笑うっきゃねぇな。アハハハハハ!!」


「笑い事ですかねぇ……」


「じゃ、じゃま……うぅ回復しかできないですよぉう……」


「あ、あれーー? ――ま、巻き込まない為にだね!? 焼死体とかいやでしょ? ね?」


「「「…………」」」



 ざっ



「あ、あれ?」



 3人がわずかに後ずさったような気がしたローブの少女であった。



 ――焼いた魔物の骨付き肉を、ぼりぼりとほおぼっていたのである。


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