料理番組「今日の料理、今回はハンバーグを作ります。今回、使う具材はどこにでもあるこれ!!グヌゥルルズズルを使っちゃいます!」アシスタント「!?」
「こんにちは、お昼の料理の時間です」
軽快な音楽とともに料理人の女性はそう言った。その料理人はエプロンと包丁を持ってやる気が満々だ。
「アシスタントのKです」
隣にいたアシスタントの女性も挨拶をすると料理人の女性はきょうの料理を告げる。
「今日はご家庭にあまりがちなアレを使ったハンバーグです!!おお!それって一体!?」
「グヌゥルルズズルです」
「え?今なんと?」
「グヌゥルルズズルです」
アシスタントはもう一度聞いてもその得体の知れない名前に聞き覚えが無かった。グヌゥルルズズル??一体何を言っているんだ。一体何を訳のわからないことを言っているもか。
「ええと、そのグヌゥル...とは?」
「あれ?もしかしてご存知ないんですか?グヌゥルルズズルを。スーパに売ってるじゃないですか。
「え?あーそうですね!!」
適当にそう応える。スーパーに売ってる?何を言っているのか。いつのまにか魔界かなにかで料理番組を始めてしまったのだろうか?
「用意するのはひき肉、玉ねぎ、卵...」
アシスタントは安堵した。なんだ、割と普通じゃないか。だがアシスタントの安堵は次の言葉ですぐに消えてしまう
「ヌデュルルメニュとグヌゥルルズズルです」
「え?今なんと」
「ヌデュルルメニュとグヌゥルルズズルです」
またもや聞き馴染みすらない調味料の名前を呼び、それを取り出した。色が紫な粉ということ以外は特に普通そうだ。その紫なのが問題だが。
「まずはひき肉玉ねぎ、卵を混ぜ合わせます」
「はい」
「そしてよくこねます」
「すでに美味しそうですね」
料理番組の体裁を整えるためか、もうグヌゥルルズズル慣れたのか、満遍の笑みを見せる。だがヌデュルルメニュとグヌゥルルズズルとかいう謎の調味料が入れられたことでもうすでに色がハンバーグとは言えないような色になっていた。
「そうするとグヌって来ますよね。そこで焼いていきます」
「グヌった!?」
ジューっという音を立ててハンバーグが焼けていく...のだが色が色のため全くもって美味しそうにみえないのだ。
「次にソースを作ります!ソースにもグヌゥルルズズルも使ってみます」
「そうですか...」
もう若干諦め気味のアシスタントなど気にせずマイペースに料理を進める。
「中濃ソース、赤ワイン、砂糖、醤油、ケチャップをテキトーに入れて混ぜていきます」
「て、テキトー...?」
「そこに、ヌデュルルメニュとグヌゥルルズズルを加えます」
「またそれか!」
「この二つは料理を美味しくしてくれるんですよねー」
「そ、そうなんですか」
ヌデュルルメニュとグヌゥルルズズルを使っている以上、ソースも明らかにこの世のものとは思えない色をしている。
「うーん、美味しそう!!」
「はぁ...」
これが美味しそう?見た目からしてもう食いもんではないことは確かだ。
これをきてなんとも思わないなんて自分以外は魔物かなんかが化けているのかと疑いたくなるぐらいだ。
「そろそろ美味しく焼きあがったみたいですよ!!」
蓋をあけると形だけがハンバーグの物体が姿を見せる。そこに先ほどのソースを掛けるとさらにジューっという音は強さを増してフライパンの上ではグツグツとソースが煮えてきている。変なものを入れていなければ美味しそうなのに...。
「では、お皿に盛り付けます」
「はあ...」
もうビジュアルから食欲を失せるのだが、料理番組である以上これを食べなければいけない。これを食べるのは気がひけるがやるしかない。
「グヌったハンバーグの完成です!!」
お皿に盛られたそれはとてつもなく禍々しい雰囲気を醸し出している。これは...人食すものあんのか..。
「では食べでみましょう..」
「そ、そうですね!!」
引きつった顔でそうぎこちなく笑みを浮かべる。スプーンを手に取り切ってみる。中も同じような感じだ。これを食せというのか...
「い、いただきます...」
パクッと口に入れてみる。すると口の中がパラダイスになった。「美味しい」という感想しか出ないぐらいの美味しさだ。
「おいしい!」
「そうでしょう!!」
臭いも特に変なわけではなく、味も素晴らしいぐらい美味しい。ダメなところといえば見た目だけだ。それ以外は完璧と終えるぐらい美味しかった。
「それではお時間がやってきてしまったようです。次回はンツグヌヌンググをつかったソテーです」
「また得体の知れないものを...ってあれ?グヌゥルルズズルって使ってないですよね?
「え?」
「え?じゃなくて」
「では、さ、さようならー!!!!」
誤魔化すように手を振りテロップには終の文字を出して画面がフェードアウトして行く。
「結局、グヌゥルルズズルってやつは何だったのーーー????」
おしまい
「




