8 周りの精霊たちの名前は噛まずに言える
「こんにちは、フルール。私は土属性のティエラじゃよ。私のことはおばあちゃんと呼んでくれると嬉しいねぇ。」
やっぱり土属性の人だった!
いかにもおばあちゃんって感じの人だったから、おばあちゃんって言ってもいいのはありがたい!では遠慮なく!
「ティエラおばあちゃん?」
あれ?今「ラ行」を普通に言えた・・・なら!
「わたしはフリューリュなの!」
・・・?
試しにさっき知ったばかりの二人の名前を読んでみた。
「ティエラおばあちゃん、ノーネストおじいちゃん・・・」
やっぱりしっかり二人の名前は言えてる・・・。
「「よく言えたねぇ。フルールは偉いねぇ(のう)。」」
二人は褒めてくれたけど、今はそれどころじゃない・・・。
なんで二人の名前は噛まずに言えているのに、自分の名前はまともに言えないの?
そんなことを考えながらショックを受けていたけど、次々と周りの精霊たちから自己紹介されたので、とりあえず落ち込むのは一度やめてみんなのことをしっかりと覚えることにした。
まず初めに私に名前を教えてくれたのは、水属性の男性のイムベルさん。
ウィンディーネさんと雰囲気が似ていて優しそうなんだけど、今は冷気を感じるオーラが少し出てる・・・・?
笑顔のはずなのに何となく怖い・・・。
次に火属性の女性のシャルールさんと男性のサマランダーおにーちゃん。
サマランダーさんをどうして、おにーちゃんと呼んでいるかというと「さん」付けしたら熱そうな炎を複数
出されて脅されました・・・。
まぁ脅されたの一瞬だったんだけどね?
なんで一瞬だったかって?
それはね、シャルールさんが殴ってサマランダーおにーちゃんを気絶させたから。
シャルールさんはしっかり者って感じお姉さんだけど、怒らせたら「物理的に揉め事は解決!」っていうところがあるらしい・・・。
次は風属性の女性シルフおねーちゃんと男性のレーニスさん。
シルフおねーちゃんは最上級精霊の中で一番年下だから「さん」付けは嫌みたいなので、おねーちゃんが付きました。少し気が強そうな感じかな。
レーニスさんは、見た目は30代のイケメンおじさんって感じ!話し方は柔らかい感じだけど、何を考えているのかわからないところがありそう。
最後は樹属性の女性のリエーリアさんとアルボルさん。
この二人は精霊ではとても珍しい双子精霊らしく、オーラがものすごく似てる。違いといえば性格が違うと
ころかな?
リエーリアさんは傍にいるだけで癒されてしまうぐらい穏やかな感じでアルボルさんは逆に元気の塊!って感じの性格をしてる。
っとまぁ、こんな感じで最上級精霊のみんなのことはわかったけど・・・大きな問題が発生してます!!
みんなの名前は噛まずに言えるのに、やっぱり普通の会話とか自分の名前は相変わらず噛みまくりだよ!?
どうして?
「みんにゃのなまえはいえりゅのに、じぶんのなまえはどうちていえないの?」
なんか視界がぼやけてきた・・・・。
「泣かんでも大丈夫じゃ。名前がしっかりと言えないのはの・・・」
自分の名前がまともに言えないことに泣きべそをかいていたら、ノーネストおじいちゃんが理由を教えてくれた。
最上級精霊を一気に紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
次回は「何故フルールは自分の名前をかんでしまうのか」についてのお話です。
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