7 名前決まりました
『フルール』
その言葉を聞いた瞬間、私の中に馴染んでいくのを感じた。
神樹が光ったと思ったら共鳴を始めたかのように、私の身体まで光りだし、それを見たウィンディーネさんが私をそっと立たせて数歩下がった。
光ったことに驚きはしたものの、それを不快に感じることはなく、心地よく感じた。感じとしては心地よい風の中でお昼寝したくなるような心地である。
光が収まると気持ち少しだけ目線が高くなった気がする。
これは、スラスラ話せるに違いない!
そんな期待を胸に抱きながら私は、一番近くにいるウィンディーネさんに声をかけることにした。
見よ!このスラスラ話せる姿を!っという勢いで話してみた・・・・が。
「ウィンディーネしゃん。あらためまちてわたしはフリューリュ。よろしくおねがいちましゅ。」
「はい、よろしくお願いいたしますね。フルール」
ウィンディーネさんは笑顔で私の幼稚な喋り方を気にしていないようだった。
確かに名前をもらう前よりはちゃんと言えるようになっている箇所もあるけど・・・・でも!やっぱり「し」が「ち」とかになってる!!それに自分の名前言えてない!!
フリューリュってなに!?フルールだよ!!
スラスラ話せると思っていた私は、ショックのあまり膝から崩れ押した。
身長は2歳から3歳ぐらいまで成長した感じなため、膝から倒れることもできるようになっていた。
フルールは一つ成長したのだった。
「そんなに落ち込まんでも、いずれしっかりと話せるようになるじゃろう。」
励ましの言葉が聞こえると同時に誰かに後ろから抱き上げられて、膝の上にのせられた。
お腹に手をまわされているのため、後ろが向けないので反りぎみに上を見てみると、そこには優しそうなおじいさんがいました。
感じからして、土属性の精霊かな?
名前をもらってからそれぞれの精霊ががまとっているオーラ?のようなものを感じれるようになった。
抱っこしてくれているおじいさん精霊からは土の香りと暖かいオーラを感じる。
ちなみに、ウィンディーネさんからは水の香りと涼しげだけどどこか暖かいオーラを感じる。オーラはそれぞれの属性と性格が関係してそうな感じがする。
「そうかなー?」
「大丈夫じゃ。焦らんでいいんじゃ。」
初めて話す相手だが、オーラと表情から自然と敬語なしの子供口調で話していた。
おじいさん精霊・・・めんどくさいからおじーちゃんにでいいや。おじーちゃんも気にしておらず、私にいずれしっかりと話せるようになるから、焦らなくていいと言い聞かせるように頭を撫でながらさっきと同じことを言っている。
「そうじゃ、まだ名乗っておらんかったのう。わしは土属性のノーネストじゃ。この精霊の中では一番長く生きておるからわからんことがあったら何でも聞くんじゃぞ?」
「ノーネストおじーちゃん?」
っあ・・・しまった。おじーちゃんって心の中で勝手に読んでたから、そのまま言っちゃった・・・怒られるかな。
「ふむ、おじいちゃんか・・・。よいの!そうじゃ、わしはフルールのじいちゃんじゃよ。」
・・・心配なかった。
「そろそろ、変わっておくれ。」
おじーちゃんと話していると横からおじーちゃんと同じ土属性のおばあさんが話しかけてきた。
これはまた優しそうなおばあちゃんだなぁ。
土属性ってみんな優しそうな雰囲気をしてるのかな?
精霊のイメージやキャラはこんな精霊がいると良いなという思いから生まれています。
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