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5 目が覚めたら周りにたくさん







・・・?なんかにぎやかな気がする。


夢にしては、はっきりと聞こえるなぁ。


「おーい。早く起きないといたずらしちゃうぞー。」


「何を言っているのですか?(ニコ」


「ごめんなさい!」


「ふふふふ・・・。こんなにすやすや眠っている子供に対して・・・・。少しお仕置きが必要でしょうか?」


何やら怒られている人と怒っている人が出てくるのだが怒っている人のせいで寒い気がする。


・・・夢なのに寒いって、おかしいような。


「ウィンディーネ、落ち着いて!冷気を抑えて!その子が寒がっているわ!」


「!!ごめんなさい。私としたことが、なんてことを・・・」


寒さはなくなったけど次は上から水が降って来ている。


もしかして雨?


それにしてもこの夢ころころ気候が変わるなー。精霊になったからって夢の内容がおかしすぎるよ。


起きたくなかったけど、これ以上は身が持たん。


私は、次から次へと起こる夢の状況について行けず、夢から覚めるために目を開けた。


しかし夢だと思っていたのは、どうやら現実での出来事のようで目を開けたのに上から水が降ってくる。


・・・涙だったのね。


起きたばかりだから目がぼやけてよく見えないけど、女の人の涙かな?


・・・確か、ウィンディーネさんに抱っこされて・・・あぁ、そうだ。ウィンディーネさんの揺らし方が上手で眠たくなって寝ちゃったんだ。


ということは、今泣いてるのはウィンディーネさん?っえ、なんで泣いてるの?


今いったいどういう状況なのこれ?


顔に降ってきている雨の正体がウィンディーネさんの涙であることはわかったが、理解したからといって私の顔に落ちてくる状況は変わらない。とりあえず、ウィンディーネさんに泣き止んでもらわないと顔が冷たいし、なんだがこっちまで悲しくなってくる。


これは子供にありがちな感情が移るっていうやつかな?


・・・子供?まぁ、幼精霊だから子供であってるかなー。


「っお!目が覚めたみたいだぜ。」


そんなことを考えながら、ウィンディーネさんの涙を止める方法がないか考えていると男の人の声が聞こえた。


声のしたほうに顔を向けるとたくさんの人たちに見られていて、私は思わずウィンディーネさんの服をギュッとつかんでいた。


「ほんとだー。おはよう、ぐっすりだったねー。」


「寝ている姿も可愛かったけど、目が覚めた姿もかわいいー。」


「「かわいいー!!!」」


周りにいた人一斉に話し出したことに驚いて、つかんでいた手にさらに力が入り、できる限りウィンディーネさんの体に身を寄せた。


「あれ?びっくりしちゃったかな。ごめんねー。」


「みんな、そんなに一気に話したら驚いちゃうよ。ねぇー?」


私に同意を求めないで!?


どう反応したらいいのかわからず、私は顔をあげてウィンディーネさんのほうを見た。男の人の声がした後ぐらいから涙が降ってこなくなったので、きっと助けを求めても大丈夫なはず・・・!


助けての願いを込めてウィンディーネさんのほうを向くと、目に涙をためながらも驚いて固まっている表情をしていた。


どうしたんだろう?


さっきまで周りの勢いにびっくりして怯え気味だった私は、ウィンディーネさんの表情が気になってすっかり怯えていたことを忘れていた。

「どうちたの?」


「・・・おはようございます、何でもありませんよ。ごめんなさい、冷たかったですよね。」


ウィンディーネさんの表情は驚いた顔から笑顔へとかわり、私の顔の涙をやさしくぬぐってくれた。


私は、ウィンディーネさんの笑顔が何となくうれしくて笑い返した。


うん!やっぱり、美人さんは笑顔が一番似合うよね。


「あのーそろそろ、二人の世界から戻ってきて?」


その言葉に私とウィンディーネさんは周りにいた人達のことを思い出したのであった。






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