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一矢報いて  作者: 嶺亜
君を見つける
4/5

喧騒、静寂。


三森さんに連れて来られたのは、少し古めのアパートの一室。


角部屋のそのドアの前にはゴミが積み上げてあり、完全にドアの可動域を狭めていた。

表札には「佐倉」の文字。ここの住人の名前で間違いないだろう。



「ここよ。さっきから物音と怒鳴り声が酷くて。前から喧嘩してるみたいな声はずっと聞こえてたんだけど。」




「わかりました、三森さん。ありがとうございます。」





三森さんの家は知っているので一旦彼女を家へ帰し、俺はその部屋のドアの前に立った。

ドアの向こうからは、確かにばたばたと物音が聞こえる。





…嫌な予感がする。






こんこん

軽くドアをノックした。


「こんにちは、広田町駐在所の者です。佐倉さんご在宅ですか?」






無音。



先程までが嘘かのように、突然声も物音も消えた。





もう一度ドアを叩く。

「佐倉さん!少しお伺いしたい事があります、開けてくださいませんか!」






無音は続き、応答は無い。

でも、なんとなくドアのすぐ側で様子を伺われているのが分かった。


怒鳴ろうかと拳を作ったその時、ドアが突然開いた。


「っぐ、」



開いたドアによろめいたところを、中から1人の女性が飛び出した。




「あっ、おい!待て!!」





焦って追うが、女は思ったより足が早くない。

俺は素早くあとを追い、女を取り押さえた。





「離しなさいよ!!

あたしが何をしたってのよ!!

悪いのはぜんぶあいつなの!

離しなさいってば!離せよ!!!!」






暴れる女性をなんとか宥めようと押さえつつ、ふと先程開いたドアの方に目を向ける。





そこには、傷だらけで怯えた目をした少年が呆然と立っていた。


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