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第二話

 俺は今、草原を歩いているパーティーを尾行している。昨日追放されたばかりのパーティーを。


 何故かって?


 そこに可愛い女の子達がいるからに決まってるだろ!


 見つからないのかって?


 大丈夫だ、問題ない。俺は昨日までの二十年間は勇者だったからな。大抵のことはできる。

 透化と気配隠蔽のスキルを使って身を隠すことくらい造作もない。


 さらに聴覚強化のスキルも使っているからあいつらの会話はバッチリ聞き取れる。


 おっさんは抜かりないんだ。


「さっさと魔王を倒しに行くわよ!」

「イザベラさん、落ち着いて。まだ無理だから」


 逸るイザベラをアレンが宥めている。

 確かにアレンの言う通りだ。


 俺が抜けたばかりだから今はまだモンスター相手の戦闘ですら覚束ないだろうな。


「まずは今後どうしますか?」

「アタシはパス。三人で適当に決めておいて」


 ロリータちゃんがしっかりと計画を立てようとしたがソフィアさんはどうでもいいみたいだな。


 それにしてもソフィアさん、良い尻してるぜ。これからは眺めたい放題だな。


「わたしもアレンに任せるわ」

「アレンさん、どうしますか?」


 アレンがリーダーか。


 まあ妥当だな。あのイケメン剣士はよく勇者と間違えられることもあったし。

 俺? 俺はよく荷物持ちと間違えられていたぞ。


「僕!? そうだな……」


 考えこんでいるが、お前がなんて言うかは分かっている。

 俺がいるときに受けた各国からの要請や依頼を片づけるって言うんだろ。


「とりあえずは受けたものを全て消化しちゃおうか。ロイドさんに迷惑かけるのは嫌だしね」

「……分かったわ」

「はい!」


 やっぱりな。アレン、お前は本当に良い奴だよ。俺が女だったら間違いなく惚れていたね。


 イザベラは少し考えたあとに頷き、ロリータちゃんは笑顔で返事をした。


 ロリータちゃん、横顔しか見れないけど本当に可愛いなー。

 おっさんの癒しだよ。パンツ嗅いで悪かったね。


「じゃあ皆、まずはこの先の森にあるゴブリンの巣を駆除しに行くよ」

「わたしの火魔法で瞬殺ね!」

「怪我しないように気をつけてください」

「分かったわ。ふぁ、眠い」

「イザベラさんは火魔法は禁止で」

「ちょっ! 何でよ!」

「この間みたいに森が燃えたら大変だから」

「うぐっ……」


 ははっ! いい気味だぜ、イザベラ! 貧相な裸を見られたくらいで魔法を使うからだ!


 そうそう、俺が受けていた依頼は全部で三つ。そのうちの一つが今、話にでたゴブリンの巣の駆除だ。

 正直、これくらい自分達でやれよって感じだ。


 イザベラの火魔法がダメとなると、アレンの剣技が中心になるな。

 さて、俺が抜けて最初の戦闘はどうなることやら。

 おっさん、じっくり見させてもらうよ。





 それからは一先ず予定が立ったからか、アレン達は楽しく雑談しながら歩いている。


 アレンは微笑みを浮かべているし、イザベラは声を上げて笑っている。

 ロリータちゃんはニパッと太陽のように眩しい笑顔を見せていて、ソフィアさんはクスリと艶のある笑い方をしながらたまに会話にまざっている。


 皆の笑っているところが見れておっさん、感激だよ。


 でも、でもな。


 俺の話がちっとも出ないのは何でだよ!


 一緒に旅してた仲だったのに悲しいよ!


 出して! 頼むから俺のこと話して! 罵倒でもなんでも良いからお願いだよ!


 うっ、目から汗が止まんねーぜ……。





 △ ▽ △


 結局俺の話は一度も出ないままゴブリンの巣に着いた。着いてしまった。


 俺って一晩寝たら忘れる程度の存在だったのか?


 いや、もうこの事について考えるのはやめよう。虚しくなるだけだ。


 おっさん、何事も切り替えが大事だって知ってるからな。


「皆、作戦を説明するよ」


 お、アレンの立てた作戦か。


 今まで俺がやってたからいきなりで大丈夫か?


「作戦は簡単だよ。イザベラさんが逃走防止用にゴブリンの巣の周りを土魔法で囲って僕が中で戦うだけ。以上かな」

「分かったわ」

「分かりました!」

「そう」


 うん、大丈夫だったな。


 イザベラ達も大人しく従っているし。


 説明が終わるやいなや、アレンが両手に剣を持ち、巣へと近づいていってる。


 イザベラが土魔法を使った。


 魔法が発動し終えたのを確認してアレンが突撃を開始。


 あー、もう結果は分かりきってるしソフィアさんの尻でも見てるか。

 何度見ても飽きない、素晴らしい尻だな。いつの日か俺の手で揉んでみたいぜ。


 ロリータちゃんの生足もヤバイ。

 移動しやすいように、スリットをいれた修道服から覗く真っ白で細い足は生唾ごっくんものだ。

 ロリータちゃん自身が幼いということもあって、背徳感が増してすごい興奮する。

 しかもあの修道服な、角度によってはパンツも見えるんだぜ! 最高だよ!


「ふぅ、これで終わりかな?」


 ん? もう終わったのか。


 まあアレンの剣の腕なら妥当か。もう少し二人を眺めていたかったけど仕方ない。


 イザベラ? あのスットントンは別に見なくてもいいだろ。あれは直接いじって反応を楽しむもんだからな。


「じゃあ街に帰ろうか」

「わたしお腹すいたわ」

「二人ともお疲れ様でした」

「アタシは帰ったら寝る」


 街に帰るのか。


 なら当然俺も帰るぞ。


 街に帰ったらどうするか。


 誰かのあとをついていってもいいし、娼館に行くのもありだ。


 勇者やってた頃は禁止されていたからな。勇者ともあろうものが娼館なんぞ! ってわけ分からない理由で。

 でも俺は今、勇者じゃない。


 よっしゃー! 俺、街に帰ったら娼館に行って綺麗な姉ちゃんに童貞を捧げるんだ……!


次回、変態としての本領を発揮する……かも?

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