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ほにゃらら・スタンバイ!

「こ、こんなの……イカサマだ!」


 決闘に敗れ、ボロボロになったボーボが、クロナに向かって叫んだ。

 俺も同感だ。でなければ、あんなに都合よくスマンソ神が揃うわけがない。


「イカサマ……それは、あなたがしたことでしょう? ボーボ・ボーイ?」


 クロナはしかし、不敵に笑う。

 そして、ボーボのデュエル・バンドにセットされたカードを抜きだした。


「あ、ああ!?」


「モンチャーカードを場にセットすることは不可能。だけど、どうしてあなたの場には、そのモンチャーカードが、セットされているんでしょうね……、ボーボ・ボーイ?」


 なるほど……、あまりにも出来すぎと思われた初手には、そういうカラクリがあったか。

 ……これが人類最強のデュエリストの正体か。

 素直にクソです。


「ぐ、っく……くっそー!!! 覚えてろよー!」


 ボーボは尻尾を巻いて逃げた。


 その背中を見送ってから、クロナは口を開いた。


「さて、それでは……次の相手は誰かしら?」


「クロナよ、我もそろそろ暴れさせるがよい」


「私も、このまま見学は嫌ですよ」


「すっげーだぞ!」


 そして、ハナ、アオイ、アカリと続いた。


「くそ、イカサマ野郎を倒したくらいで、調子に乗るんじゃねぇぞ!」

「野郎ども、デッキの準備はいいな!」

「応とも!」


 ギャラリーどもははしゃいでいた。


「ふん、まどろっこしい。……全員まとめて相手をしよう」


 ハナが言った。


「くっそ、舐めやがって! おい野郎ども、こいつらをぶち殺すぞ!」

「応とも!」


「「「「決闘デュエル!!!!」」」」


 そして、売り言葉に買い言葉。

 5000対4の変則決闘が幕を開け――


「【スマンソ・スンマセン・ヒップフレイム!!】」


 初手【スマンソ神】を決められて、まとめて葬り去られた勇者モブたちだった。


 おー、よっわwww


「残るは……魔王様と、女勇者だけ、ですよ」


 挑戦的な視線と言葉。

 それらを受けても、特に俺は動じることはないのだが。

 勇子は、彼女らの脅威に晒されて、震えている。


 ……いや、少しおかしいのでは?

 確かに三姫臣とハナは、魔族の頂点に立つ強者。

 だが、レベル自体は勇子と同じ6のはず。


 ただの一睨みでここまで圧倒的な力の差を示すのは、一体なぜ……?


 そして、オジサンはいつの間にか【スマンソ・スンマセン・ヒップフレイム】を食らって敗北をしていた。決闘には参加していないはずなのに、一体なぜ……?


 と、いうわけでいつもの、入りまーすwwww!!!


「【余の命に従えオーダー】ステータス・オープン!」


 びしょびしょきゅるるん!!!


 不思議なSEが、耳に届いた!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


クロナ

               ☆☆☆☆☆☆☆


         (*’ω’*)


攻撃力 2500  |  攻撃力・守備力

守備力 2100  |  最高クラスの魔族。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ハナ

                ☆☆☆☆☆☆☆


            (^O^)


攻撃力 2400   | パワーは上級!

守備力 2000   | 超レアハナだ!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


アオイ

                  ☆☆☆☆☆☆☆

   

         (´Д`)


攻撃力 2100   | 守備力は

守備力 2800   | なんと魔王以上!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


アカネ

                   ☆☆☆☆☆☆☆

        

        (≧◇≦)


攻撃力 2300  |  すっげー、

守備力 2100  |  だぞ!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「なんだと……全員、レベルアップしている、だとぉ!?」


 全員がレベル6から、星7にレベルアップ!? 

 一体、どんなレベリングをしたらこうなるんだ?


「あら、魔王様……お気づきになりませんか?」


 クロナが怪しげな表情で言う。


「……何をした?」


「ご主人様、我らはただ、遊戯に興じていただけ。そして、目覚めたのです」


 ハナが不敵に笑う。


「最強のスキル」

遊戯支配ゲームマスターをだぞ!」


 アオイとアカネが言う。

 アオイのセリフが短いんだぞ!


遊戯支配ゲームマスターだとぉ!? いつの間に、そんなスキルを……!?」


 本気を出さずに、ずっとだらだらゲームをしていただけのお前らが、そんな大層なスキルを手に入れられるはずが……はっ!


 俺の表情を見たクロナが不敵に笑った。


「気づかれたようですね。そうです、私たちはだらだらゲームをすることで経験値を荒稼ぎし……レベルが上がり、スキルも身に着けていたのです!」


「あ、そっか、ふーん」


 どや顔のクソどもに、俺は興味なさそうに答えた。

 ……とりあえず、ぶっ飛ばす!

 そのためには……奴らのイカサマを見破る必要があった。


 が、そこは既に見破っている・・・・・・・・


「……私もやるわ、魔王」


 思いもよらないところから、参戦の声が上がる。

 震える声で言う勇子だった。


「無理をするな、いくらお前でも、あいつらのプレッシャーは相当に厳しいだろうに」


「無理? ……笑わせてくれるわ。こんなの、私とあんたがこれまで一緒に破ってきた数々の困難に比べたら、どうってことない……でしょ?」


「ふん。そうだな」


 と言いつつ、そんなことあったっけな? と思う俺。


「……魔王様は、人類に与する、ということでよいのですね?」


「ふん、見くびってくれるな。……だが、俺の真意を測ることなど、全くやれやれ。いくら三姫臣といえども、難しかったか……」


 俺がここぞとばかりにやれやれを披露すると、だ。


「ご主人様、それは一体どういうことでしょうか?」


 ハナも怪訝そうに問いかける。

 俺は一言答える。


「説明する必要はない。ただ、この勝負に俺が勝てば……すべては、俺の思う通りになる。……それだけなのだ」


「……それは無理ですね。スキル【遊戯支配】は、すべての勝負をゲームで決めることができるスキル。そして、ゲームにて勝利するスキル。まさしく、全能と言えるスキルなのです」


 勝ち誇る三姫臣とハナ。

 絶対、全能は言い過ぎぃー!!


「なるほど、そうか……ならば俺もその力を手に入れるとしよう。【創造クリエイト】!」


「……さすがは、魔王様ね」


「魔王様、すっげーだぞ!」


 アオイとアカリが、輝きに包まれる俺に対していった。

 そう、俺は今【創造】のスキルを用いて、新しい【スキル】を創造した。

 そのスキルとは、もろちん……あ、ちがった。

 もちろん……。


「【遊戯支配】、素晴らしいスキルだ。さて、ゲームを始めよう」


「……【遊戯支配】を【創造】にて想像した?」


「流石はご主人様」


「しかし、あまり調子に乗らないことですね、魔王様。……負けた時、恥ずかしくなってしまいますよ?」


 クロナとハナが交互に、ポーカーフェイスを気取りながら、そんなことを言う。

 が、視線がきょろきょろ動きまくっていることから、強がりなのはモロバレだった。


 とりま、この場にいる全員が「僕の考えた最強のデッキ」をシャッフル!

 三姫臣とハナのシャッフルは、さすがは7つ☆の高レベルというべきか、高速で行われていた。

 あまりにも早いシャッフル。

 俺じゃなきゃ、その違和感を見逃しちまうね。


 そして彼女らはデッキを、デュエルバンドにセット……


「待つのだ!」


 しようとして、俺が声を発して静止した!


「「「「!!!!」」」」


 俺の言葉に、動揺を隠せずにいる三姫臣とハナ。

 唯一、勇子だけ呆けた表情で俺を見ていた。


「……必ず初手に【スマンソ神】を揃えるには、どうすればよい? 答えは簡単だ」


 三姫臣とハナは、額に汗をかく。


 俺はクロナからデッキを取り上げ、そしてデッキの上から7枚のカードを分け、そしてそれを固定したまま器用にシャッフルをしなおす。


「いつから、気づいて……」


 顔面蒼白のクロナがつぶやく。


「初手に来る7枚のカードは、シャッフル中固定。そして、最後のカットで……一番上に乗っける。すると、どうなる?」


 俺の問いかけに、「あっ!」と、声を上げる勇子。


「必ず、初手に【スマンソ神】を持ってくることができる……!」


 シャッフルを終えた俺は、デッキの上からカードを8枚ドロー。

 すると、初手には【スマンソ神】が揃っていた。


「これが、このゲームの必勝法、というわけだ」


 悔しそうに歯噛みする三姫臣とハナ。


「デッキカットは、こちらでさせてもらう。文句はないな?」


 しぶしぶ、といった表情で頷いたクソども。

 そうして俺たちは互いにデッキを交換して、カードをシャッフルした。


「簡単なイカサマだな」

 

 心底つまらないネタだった。


「簡単だなんて、そんな……あんな高速シャッフルでそんなイカサマを見破れるのは、魔王だけよ……」


 勇子は感心したように言う。


「……惚れなおしたか?」


「も、もうっ! ばか!」


 顔を真っ赤にした勇子が言う。


「……初手【スマンソ神】を封じただけで、良い気にならないことです、魔王様」


 分かりやすく焦る馬鹿ども。


「……イカサマをあばいて上機嫌なのはいいですが、勝ったつもりになるのは些か早すぎるのでは?」


 クロナが負け惜しみのように告げる。


 その通りだ。だが、だからこそ……面白いではないか。

 先がわからないのがゲームの醍醐味だ。

 故に……面白い!


「そうかもしれないな。だが、これで対等な条件」


 俺はこの場にいる決闘者たちに視線を向けてから、


「……さぁ! 存分に【決闘グルイ】ましょう!?」


 転生前に影響を受けたマンガからセリフを拝借して、決めるのであった……!



明日はとうとう、最終話投稿だよ(。´Д⊂)


最後まで、よろしくねっ(^3^)/!

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読者の主人公と作者のヒロインがひたすらイチャイチャするお話です!
【連載版】クソレビュアーの俺が美少女作家を叩いた結果→告られました
好評の声が多かったため、連載したよん♡ぜひ読んでください(*'ω'*)
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