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キラリ☆ダ~リン・モアー・ラブ♡

やばーい、遅刻遅刻~!

もう、なんだってこんな日に寝坊なんてしちゃったの~泣


「もう、ママ! なんで起こしてくれなかったの!?」


 私はママにそう言うけど、返事はない。


「……あ」


 そうだ、ママは魔王軍との戦いで、足首をねんざして、全治3週間以上の大怪我をして、未だ入院中だったのだ……。

私は、自然と拳を握りしめていた。私は自らの無力を呪った。

私みたいに取り残される人が、これ以上でないように。

だから、私は戦うんだ。


チン!


そんな音が空虚に響いた、私は自然とこぼれていた涙を拭って、トースターから食パンを取り出す。

パンをくわえながら、私は通学路を時速300キロで走る。


うぅ~、このままじゃ勇者学園に遅刻しちゃうぅ~。

そうそう、自己紹介がまだだったわね!

勇者学園に通う花も恥じらう15歳の女子勇者、勇子!


そして、今日は学園の始業式。

急いで学園に向かっていると……


どんっ☆!


「きゃぁ!」


「ふんぬ!」


 道路の曲がり角で、通行人とごっつんこ! の勢いで周辺にはとんでもない破壊の嵐が!

 とりあえず、私はバランスを崩した。

 でも、その通行人がたくましいかいなで、私の腰に手をまわし、転倒は逃れた。


「うむ、すまぬな。先を急いでいたものでな」


「いたたた……私こそ、ごめんなさい。ありが……と、う?」


 私をたくましいかいないだく男を見ると、え?


「ま、魔王!? どうしてあんたがここに!!?」


 そいつは、魔王だった。

 そう、魔王軍最強にして、人類最大の敵。

 こいつがいたから、私のママは魔王軍との戦いで捻挫を……捻挫をしたからチクショウッ!!


 そしてトレードマークの黒マント(その下は……フリチン(/ω\)) 

 しかも……私好みのワイルドなイケメン♡キャー

 

「どうして? 余は勇者学園の転入者であるのだぞ」


「ええ!?」


「勇子、お前は……勇者学園の学生か?」


 私の名前を憶えていてくれたことに、ときめきを……感じている場合ではないよぅドキッ!


「……そうだけど、ええっ!? 魔王討伐の勇者を育成する機関に、なんで魔王自身が通うのよ!? おかしいじゃないの!」


 私は平然とした様子で黒マントをバサッとする魔王に問いかけた(キャー、魔王の○○〇が……キャー――――♡♡♡!!!!)


「おかしい、か。確かにおかしいかもしれない。だが、これにも理由があるのだ」


「理由? ……はっ、もしかしてあなた、自らスパイとして!?」

私はトーストを齧りながら聞いた。


「いいや。スパイとして、というのなら普通に部下にやらせるぞ。そんな簡単なことも気づかないなど、やれやれまったく。困ったものだ」


魔王が、本当に困ったように「やれやれ、全く」と、肩をすくめている。


う、嘘……私、別にあなたのことを困らせたかったわけじゃないのに。

どうして。

私はいつも素直になれないのかな?


ただ、一言「好き」って伝えられたら、どんなに素敵なんだろう……。


うつむく。


魔王は困ったように頭をかいた後。


「いや、ほら。余ってめっちゃ部下に舐められてるからさー、いっちょ本気出したろかな? って感じで。つーわけで、しくよろー!」


「……うん! しくよろっ!」


 魔王の屈託のない笑顔をみて、きゅんと胸が締め付けられた。

 ああ、やっぱり私はこの人が好きなんだ、ってそう思ったのだった。


「と、いうわけで。余を勇者学園まで案内するがよい」


「な、なによえらそーに! ……あ、もしかしてっ! こんな時間まで学園にいけなかったのは……迷子だったからかしら?」


「なっ……! そ、そんなわけないのである!? い、言いがかりは、止すのである!」


「へー、どうかしら?」


 頑なに否定する魔王、かーわいっ!

 私はにやにやと彼の困った横顔を見つめていたのだが……。


「い、良いから行くぞ! 案内するのだ!」


 そう言って、強引に私の手を握り、引っ張る魔王。


 ふ、ふええええぇぇえぇぇぇぇぇえぇ!?


 ご、強引すぎるよぅ……(/ω\)


「む、どうしたのだ?」

 

 なんてことなさそうに言う魔王。

 私ばっかりドキドキして、こんなの不公平だ!


「な、なんでもないわよ!」

 

 なんて、胸の鼓動をおさめられないまま。


 私は多幸感に包まれて、学園までのみちを歩くのだった……。



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読者の主人公と作者のヒロインがひたすらイチャイチャするお話です!
【連載版】クソレビュアーの俺が美少女作家を叩いた結果→告られました
好評の声が多かったため、連載したよん♡ぜひ読んでください(*'ω'*)
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