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処女を取る

作者: 水形玲

自分の夢を書いてみました。

 僕は新人賞を取った。 

 授賞式では緊張した。

 賞金の五十万円は、生活保護課に渡さなければならない。

 これから金を儲けて、生活保護をやめるのだ。

 受賞式の後のパーティーのエビのソテーは、おいしかった。


 やがて僕の本が出た。「青い涙 他四編」という本だ。

 これはベストセラーになり、僕の懐に一億円以上の金が転がり込んだ。

 僕の長年の悲願であった、十八歳の処女との結婚が現実のものになろうとしていた。


 雑誌の連載などもするようになった。

 金は二億円に膨らんだ。

 僕は業界周辺で、十九歳で処女のかわいい女の子と知り合った。

 僕は言った。

「僕は、十八歳くらいの処女の女の子と結婚するのが夢だったんだ。僕は金があるから、結婚してくれる?」

「ぜいたくをさせてくれるの」

「もちろん。もっと金が儲かったら、屋上付き三階建ての家を建てるよ」

「じゃあ、結婚してあげてもいいよ」

「ありがとう」


 僕と彼女は結婚した。

 やがて幻聴もその役目を終え、消えていった。薬は減らされた。

 広いマンションを借り、毎日のように贅沢な食事をした。

 処女を取る密儀も、たまらなく魅惑的な夜だった。

 当然僕も、童貞を失った。


 妻は言った。

「あなたはゴミ当番も家事もやってくれるから、一緒にいてもいいかなって思える。最初はうまくいかないかもって思ったけど。しばらくよろしくね。子供ができるまで」

お読みくださりありがとうございました。

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