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復讐と覚悟

「も、申し訳ありません! ゲンツ様!」


 ゲンツの執務室。

 毛足の長い絨毯に手をつき、頭を深く下げ、目の前に立つゲンツに必死に謝罪の言葉を述べる男。

 それは、先程オリアを狙ったが拳士の妨害によって失敗し、逃げ出した男だった。


「申し訳……ありませんだと……?」


 この男を含む三人組がオリアを狙ったのは、やはりゲンツの命令によるものだった。

 命令の失敗の報告をしに、ゲンツの元へと男はやって来たのだが、他人に厳しいゲンツがその失敗を許す筈が無い。


「ゲ、ゲンツ様!? お、お慈悲を!」


 怒りによって顔を真っ赤に染めたゲンツが、震えながら手に魔力を込めはじめる。


「慈悲などあるか……この無能が!」

「ギャァァァァアアアア!」


 男の体が炎に包まれ、苦しみ悶えながら息絶えていく。

 絨毯には特別な加工がしてある様で、火は一切燃え移っていない。

 炭化した男の死体から出る臭いに顔をしかめ、ハンカチで鼻を押さえるとゲンツが叫ぶ。


「おい! 誰かこのゴミを片付けろ!」


 ゲンツの屋敷に住む者は皆ゲンツの悪行を知っているので、この様な死体の処理も日常茶飯事だった。


「…………? おい! 誰かおらぬのか!」


 だが、いくら呼んでも誰も来ない。

 自分の命令にはすぐ答える様にとしっかりしつけておいた筈なのに。

 役立たずな部下達にまたも苛立ちが募る。


「…………全員首、であるな」


 ゲンツが屋敷の者達を全員まとめて首にする決意を固める。

 勿論、自身の悪行を知られている以上、ただ屋敷から追い出すという意味では無い。

 首という言い方の通り、余計な事を言えない様に一人残らず首をはねるという意味だ。


「…………?」


 それにしたってここまで誰も来ないというのもおかしい。

 不審に思い執務室を出て廊下に立つと、そもそも屋敷内に人の気配を感じない。


「一体これはどういう……」

「どういうもこういうも無いのよ、デブっパゲ」

「何ぃ!?」


 何者かの自分を罵倒する声。

 ゲンツがデブでありハゲであるのは事実だが、それを人から言われて怒らない訳がない。


「誰だ!」


 怒りと共に声の方へ視線を向ける。


「な!?」


 ドスン、と大きなリュックを床に降ろす一人の少女。


「キ……ルフ、オリア」


 それは、ゲンツが部下に連れて来るよう指示した相手、キルフ・オリアだった。


「は~い、ハゲ豚ゲンツ」

「き、貴様! こんな時間に人の屋敷に忍び込むなど、何のつもりであるか!」

「はぁ? 何のつもりはこっちのセリフよ。人の命狙っておいて白々しい」

「人の……命? 何の話であるか?」


 知らぬふりをするゲンツ。

 だがその心の中は、オリアをさらう事に失敗したあげく、屋敷まで後を付けられたのだろう、無能な部下への怒りに満ちていた。


「とぼけても無駄よ? 私達はあの男がここの屋敷に逃げ込んだ事を知ってるの」

「私……達だと?」


 ゲンツが顔をしかめる。

 面倒な事になった、と。

 オリア一人ならばむしろ好都合だった。

 再度誘拐する手間が省けた様なものだからだ。

 だが、仲間がいるとなると話は別だ。

 共に来たのは誰か、人数は何人か。

 コラール隊の仲間達か、それとも別な誰かなのか。

 場合によってはかなり面倒な事になる。


「一体貴様は誰と……」

「はっはっは! 随分と部下から嫌われてるみてぇだな、あんた!」

「何ぃ?」


 オリアの後ろから現れたのは、赤いマントを羽織った見知らぬ一人の少年。


「ちょーっと脅したらみーんな逃げちゃったよ。屋敷にはあれだけ沢山の人がいたのに。あなたを命がけで守りたいと思う人は一人もいなかったみたいだねぇ」


 その後ろから更にもう一人、緑のマントを羽織った見知らぬ幼い少女が現れる。


「貴様達は何者だ?」


 ゲンツに話しかけられたのを無視して拳士がオリアに言う。


「屋敷の奴らもあいつ同様ペラペラ喋ってくれた。やっぱりそういう事だったみたいだぜ」

「そう……」


 オリアが悲しそうに言う。


「知らなかったのは私だけだったんだ……」

「わ、私を無視す――へぎ!」


 ゲンツが側頭部を、突如駆け寄ってきたオリアに蹴られ、執務室の中に転がりこむ。


「な、何を……貴様!」

「あんただったのね。山賊達を操っていたのは」

「な!?」


 憎しみに満ちた目で、執務室の入り口に立ったオリアが座り込むゲンツを睨む。

 執務室の中に転がっている黒焦げの死体は、横目でチラリと見ただけで無視した。


「女の方は駄目だったけど、男が一人残ってたから起こして聞いたのよ。どういう事なのかって」


 オリアが廊下に置いて来たリュックを持ってオリアの横に立った拳士が言う。


「はは、本当は拷問かまして無理やり聞き出してやろうと思ったんだけどな。そんな必要も無かったぜ」


 ゲンツの部下の襲撃を退けた後、サヤは宇宙にいる大剣神に逃げた男の逃亡先を追跡させ、その間拳士とオリアは意識を失っていた男を起こし、尋問を開始した。

 だがその男は、どの道今のままではゲンツに殺されるか、殺されずともロクな目には合わないと考え、それならばオリアに全てを話し、オリアとこの得体のしれない男がゲンツを殺す事に賭ける、と全てをあっさりと話してくれた。

 あまりにもあっさりと言うので、最初は嘘をつかれたのではないかと疑ったが、サヤと大剣神からの報告が男の話の裏付けになった。


「チィッ!」


 ゲンツが手を伸ばし、先ほど男を焼き殺した様にオリアに火の魔法を放とうとする。

 息子が火の魔法で拳士を吹き飛ばそうとした様に、ゲンツもまた火の魔法の使い手だった。

 だが……。


「ぎゃぁぁああ!」


 親指の付け根の少し上、ちょうど四本の指を全て失う様に、ゲンツの手が横に切断された。

 切り落とされた手を押さえゲンツが見上げると、オリアが長く細い剣をゲンツの鼻先に突き付けていた。


「あんた、実戦経験全然無いでしょ」

「な、にぃ……!?」


 痛みに顔をしかめながらも、ゲンツがプライドを傷つけられたとオリアに言い返す。


「無い訳なかろう! 数え切れぬ程あるわ! このゲンツの活躍、知らぬのか!?」

「活躍? はっ、笑わせるわね。安全な場所で部下にお膳立てしてもらって、相手が無抵抗になった所で魔法をぶっ放すだけのそれが何の経験になるのよ。あんたは魔法使いとしての戦い方が全然わかってない」

「ぐぅ……!」


 オリアの言う通りだった。

 ゲンツはまともに命のやり取りをした事が無い。

 戦では兵に身を守ってもらいながら魔力を溜め、兵に作ってもらった隙を狙い、魔法を放つだけ。

 その相手も、本来兵達だけならば魔法等使う必要が無いような、格下の相手ばかり。


「う、うぅ……」


 斬られていない方の手で再度魔法を放とうとするが、オリアはそれを止めずに見る。


「…………!? な、何故!」


 だが、魔法を放つどころか魔力を溜める事も出来ない。


「痛みで集中出来てないからでしょ。普通そういう時の訓練もするもんだけどね。本当にあんた、ド素人にも程があるわよ」

「……く、くそぉぉおお!」


 やけくそになり、魔法を使う事を諦め殴りかかろうとゲンツが立ち上がるが、オリアに顔面を蹴られ、床を再度ごろごろと転がる。


「さーて……」


 オリアがリュックの中を漁る。


「私がどうしてこんなに武器を集めていたか、わかる?」


 そしてそこから、側面がおろし器の様になっている凶悪なデザインのナイフを取り出す。


「一番山賊達を苦しめながら殺せる武器は何かって、探ってたのよ」

「ひ、ひぃ!」


 ゲンツが目を見開いて怯えだす。


「残念ながら山賊達はもう全員死んじゃったけど……代わりにあんたという首謀者に出会えた」

「ま、待ってくれ……待ってくれ!」

「簡単には殺さないわよ?」

「ち、違う! 違うのだ! この事を知っていた者は他にも沢山いる! ……そ、そうだ! コラール! コラール家! コラール家の小娘もこの事を知っていた筈だ!」

「………………」

「それに、クュールス家の娘も! ほ、他にもいるぞ!? 沢山、沢山! そう、そうだ! 知っていただけでは無く、共に山賊共を援助し、金を受け取っていた者もいるのだ!」


 ゲンツがずりずりと執務室のデスクまで這いより、魔法で鍵をかけてあった引き出しを開けると、紙の束を取り出す。


「ほ、ほら! 受け取れ! ここに仲間たちの名前が書いてある!」

「ふーん……」


 オリアがゲンツからその紙束を受け取る為に近寄る。


「だ、だからここは……ギャァァアア!」


 そしてゲンツの前に片膝を立ててしゃがみ込むと、紙束を持った手を、オリアが握力で握り潰す。

 バキバキと骨が折れる音が執務室に響く。


「あんたに仲間がいる事と……あんたの罪に何の関係があるの?」

「い……ぎぃ」

「良い事教えてくれてありがとう。あんたの仲間は、後からちゃんと殺しに行くわ」

「ひ、ひ……」

「けど――」

「ギャアアアアアアア!」


 ゲンツの足に、先程のナイフを深く突き刺す。


「――あんたの事は、今ここで、確実に、殺す……!」


 自身を睨むその眼に宿る、圧倒的なまでの強烈な殺意に、ゲンツは恐怖した。

 オリアが足に突き刺したナイフを引き抜くと、側面の細工によりゲンツの傷口が摩り下ろされ、更に大きな悲鳴を上げる。


「…………ケンシ」


 それを見たサヤが、辛そうな顔で拳士を見上げる。


「あぁ」


 頷くと、拳士がオリアに呼びかける。


「おい、オリア」

「…………何?」


 振り向いたその表情は、最早別人だった。

 あの明るさや優しさは、微塵も残っていない。

 怒り、憎しみ。

 そして、殺意。

 今の彼女にあるのはそれだけだった。


「まさかあんた。復讐は良くない事だの何だの言って、私を止めるつもりじゃないわよね?」

「……いや、そんな事は言わねぇさ。不幸自慢じゃねぇが、俺だって元の世界で色々あったんだ。復讐したくなる気持ちってやつはわかるつもりだ」

「だったら何よ」

「復讐するな、とは言わねぇよ。……けどな?」


 拳士がオリアを強い目で見つめる。


「自分の人生を、復讐で全部ぶっ壊しちまう覚悟はあるのか?」

「はぁ?」


 オリアが半笑いで、馬鹿にした様に言う。


「何言ってんのよあんた。私の人生をぶっ壊す? 笑わせないで」


 ゲンツの方を振り向くと、オリアが顔面を殴る。


「ぎひぃ!」


 鼻血を流して転がるゲンツ。


「コイツのせいで! とうに私の人生はぶっ壊れてんのよ!」

「けどお前はまた積み上げたじゃねぇか!」

「!?」


 拳士の怒鳴り声に、少しだけオリアが冷静を取り戻す。


「あぁそうだ。確かにお前は一度、人生をそこのクズ共の手によって、ぶっ壊されちまった。両親を殺されて、故郷を潰されて。……けど、そこからお前はまた一から積み上げて、今の生活を作り上げたじゃねぇか。それをぶっ壊しちまってもいいのかって聞いてるんだ」

「い、今の生活ですって? ……それだって、元はといえば山賊達への復讐心で……」

「何を目的にして生きてきたかは問題じゃねぇよ。復讐心でも何でもいい。結果として、今お前が積み上げてきた物について俺は聞いてんだ。俺達の宿を探してくれた時、知り合いに見つけて貰ったって言ってたよな。そういう友達との関係を全部、無駄にしちまってもいいのか?」

「…………」

「エリゼや赤鬼との関係だってそうだ。同じ部隊の仲間ってだけじゃない。絆があるんだろう? お前達には」

「……………………」

「他にも、他にも。俺が知らないお前の人生って奴が、数えきれねぇ位ある筈だ。それを、全部無かった事にしちまって、本当にいいのか? 今回のは、山賊共を蹴散らすのとは訳が違う。そのハゲは、どんだけクズでハゲで不細工でデブでハゲでも、一応お偉いさんなんだろ。なら、そいつを殺しちまえばお前だってタダでは済まない」

「…………う、うるさいわね! あんたに何がわかるのよ! わ、私は!」

「あぁ、わかんねぇな。さっぱりわかんねぇよそんなもん。わかんねぇのは俺だけじゃねぇ。お前の復讐に対する思いなんか、お前以外誰にもわかんねぇんだ。だから、どんな思いを込めたところで、国はこの事を単なる殺人事件の一つとして処理するだろうな」

「だから何だってのよ! それでいいわ! 罰を受ける覚悟ならある!」

「……オリア」

「大体、ここでこいつを見逃す訳にはいかないでしょ! そんな事をすれば、またこいつは同じ事をする! そうしたら、また私の様に悲しむ人、苦しむ人が産まれる! そんなの、見過ごせる筈がない! ……だから、私は今ここで……今ここで、こいつを殺しておかなきゃいけないのよ!」

「だから、オリア……!」

「ケンシ、ケンシ」

「あ?」


 拳士が何か言おうとした時、サヤにマントを引っ張られ、気付いた。


「……誰だ? お前」


 執務室に新たな人物が入ってきた。

 サヤが一瞬警戒の表情を見せるが、相手から一切の殺意を感じなかったので、その警戒をすぐに解く。


「リオーナ……さん?」


 オリアの知っている人物だったのだろう。

 名前を呼ぶと共に、少し驚いた表情を見せる。

 入ってきた人物は、赤いマントを羽織った、拳士よりも少しだけ年上の、大人っぽい雰囲気を纏った少女。

 そのマントは色こそ拳士と同じ赤だが、拳士の安い布を巻きつけただけの様な安っぽい物とは布の質が全然違い、裾周りには細かな刺繍が施してある。

 それを羽織った少女もまた、マントの質に引けを取らない絶世の美女だった。

 まるで細い金の糸を束ねた様に、艶やかに輝く美しい髪をアップにまとめており、その顔は美の女神を模した西洋彫刻のように整っている。

 正に人の想像する美女のイメージをそのまま具現化したかのような、誰もが見惚れる美しさだった。

 だが、その美少女を見てゲンツの目に涙が浮かぶ。


「ば、馬鹿な……何故……何故貴様がここに……」


 美少女、リオーナが口を開く。


「こうして顔を合わせるのは久しぶりだな、ゲンツ殿。エリゼに頼まれたんだよ。今回の事で貴方が逆恨みに何かをするか、もしくはオリアが何かに勘付き、貴方の元へと向かうかもしれないから、念の為監視しておいてくれ、とね」

「監視……?」


 オリアがリオーナを睨む。


「リオーナさん。やっぱりあなたも全て知っていたんですね」

「あぁ、知っていた。全てな」


 ギリッ、とオリアが怒りで歯を軋ませる。


「だったら、だったら何で!」

「力が足りなかったからだよ。私にも、エリゼにも。例えゲンツ殿を殺めても、他の協力者達がすぐまたゲンツ殿の代わりを務めるだけで状況は変わらない。ならばとゲンツ殿を含む関係者全員を葬れば、今度は国の政が回らなくなる。オリアもわかっているだろう? 今のリュヴァス帝国には有能な人材が不足している。現皇帝が、前皇帝と共に上層部を一掃してしまったからだ」

「…………それは……それはわかってます。……けど。……けど!」

「そしてオリア。君にゲンツ殿の事を教えなかったのは、こうなる事がわかっていたからだ。知れば君は必ず復讐に向かう。確かにそれで、君の気は済むかもしれない。だが、それでは状況は何も変わらない。…………ただ、残された私やエリゼ、君と親しい者達が悲しむだけだ」

「………………」


 オリアから殺意の気配が消えていく。


「…………よ、よし! よし、わかった!」


 すると突然、ゲンツが親しげな顔で呼びかけてきた。


「今回の事は、わしも自分の非を認め、謝ろう。すまなかった! もうこの様な事はしないと心に誓う。うむ!」


 全員が白けた顔でゲンツの事を見ているが、ゲンツは気付かない。


「詫びと言っては何だが、この手の事も、屋敷への侵入の事も全て水に流そう!」


 自分の懐の広さを自慢する様な顔をしているが、全く空気が読めていない。


「ゲンツ……!」

「ははっ」


 憎しみに満ちた目でゲンツを睨むオリアと、呆れて笑い出す拳士。


「そうか、反省したか……」


 それを聞き、リオーナがゲンツへと歩みを進める。


「う、うむ! 反省したぞ!」


 嬉しそうに答えるゲンツ。


「あぁ、では……」


 ゲンツの前に立ったリオーナが、優しい笑みを浮かべ、言う。


「あの世で皆に、謝罪してこい」

「…………へ?」


 ファサッ、と一瞬リオーナのマントが翻った。


「へぇ?」


 拳士が感心すると共にどこか嬉しそうな顔をする。


「あ…………ぇ?」


 ジワリ、とゲンツの胸が赤く染まっていく。


「とは言え私にも、貴方が反省したと言うのなら、慈悲の心はある」

「ゼェ……ゼェ……くる、苦しい……たす、助け……」

「ゲンツ殿。貴方は火の魔法を使える筈だ。それを使って私が刺した片肺を、傷口を塞ぎながら焼き切ればまた呼吸が出来る様になる。助けは私が呼んでおこう。呼吸さえ維持できれば、それまで何とか持つ筈だ」

「そ、そんな……ゼェ……! ゼェ……! ま、待て……!」

「貴方は私がオリアに言った話を、聞いていなかったのか?」

「な……に……!?」

「山賊を消した今なら。貴方を殺さずにおく理由なんか無いのだよ」

「そ……ん、な!?」


 オリアを促し立ち上がらせると、拳士とサヤにも屋敷を出ようとリオーナが言う。


「たす……助け……!」

「ゲンツ殿」


 執務室の扉を閉める直前、リオーナが冷たい目で告げる。


「自業、自得だ」


 扉を閉め、立ち去る四人。

 それから数秒後、扉の中からゲンツの悲鳴が聞こえた。

 後に彼を兵が発見した時、彼は胸を中心に黒焦げになって息絶えていたという。

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