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エレベーター

作者: こみなと

まず初めに、これは最近思い出したことを綴っただけで、小説だ!とか、怖がらせるぞ!だとか思った訳じゃなくXに垂れ流したり、メモに書くには長いしなーって思ってたらちょうどいい書き場所があったので書いただけです。

なんで忘れていたのか、ふと思い出した話。

小学校の頃に友人4人と私の5人でよく行動を共にしてた。

自宅から少し離れた街の外れに4階建てのマンションがあった。壁に蔦が這う子供ながらに「異質」そう感じる建物だった。住民は居たと思う。

なぜこう曖昧な表現になるかと言うと人が出入りする所は見たことがないが、電気が点いていたり中から激しい物音や叫び声が聞こえることが何度かあったからだ。

夏休み明け、暑さが残る頃。

学校帰り15時頃いつものメンバー5人組で興味本位だった。マンションに足を運んだ

気付いたことは主に2つ

1つめに「電灯が全く付いていない」

今は夕方だから見えるが夜何も見えないんじゃないか?そう思った。

そして2つめ「エレベーターが故障?している」

トラテープが貼られていて厳重に封鎖されている。ボタンには誤って押してしまわないようカバーが付けられている。若気の至りと言うべきか誰が言う訳でもなく私たちはボタンを押した。「エレベーターは動かない」皆そう考えていただろう。しかし、(ゴォン)という鈍い音ともにエレベーターは動きだし扉は開かれた。

皆んなが静まり固唾を飲み、数秒であろう瞬間が数分に感じさせる静寂。それを破ったのはBだった。

『乗るぞ』Bの一言で時が動くのを感じた。

そして私たちはエレベーターに乗り込んだ。扉が閉まる。行先は4階。静まり返る5人

何事もなく4階に到着し、安堵の空気が流れる。

『よし、廊下の端まで歩こうぜ』Aが切り出す。

5人で夕陽が差し込む薄暗い廊下を歩く。私は最後部を歩いた。これは感覚でしかないがハッキリとした寒気と視線を背後から感じる。「振り向いてはいけない」第六感と言うものなのかが働いた。

そして端までたどり着き皆で引き返す。

もしかしたら帰りに先頭を歩いたCとDは感じていたのかもしれないが帰りに私は寒気や視線は感じなかった。そしてエレベーターに乗り込む直前、(カツンカツン)と階段を登ってくる音が聞こえだんだん近付いてくる。

私たちは急いでエレベーターに乗り込み扉を閉め1階を押す。安堵に包まれた。しかしその時私は余計な物を見つけてしまう。

『あれ?ボタンにB1ってあるよ?』言った私が言うのもなんだがそんなことはどうでも良く「早く帰りたい」ただそれだけだった。

…1階に着き扉が開く。CとDと私が順に降りるとAはこう言った

『地下1階が気になるから見てくるわ』

Aはバカだ。いや、バカだった。Bも付き合うらしくここで3人と2人に別れ明日話を聞く事にした。

そしてマンションから出ると異常に暗い。3人で帰る途中公園で時計を見ると時間は19時を超え20時になろうとしていた。おかしい。マンションで4階に行き廊下を往復しただけで4時間から5時間経過している。1番近かった私の家に3人で帰り母の運転で2人を家まで送り届ける。その後母になぜこんなに遅くなったのか問い詰められる。

あの外れのマンションに行きエレベーターに乗り、廊下を歩き外に出たらこんな時間だった。正直に話した。

初めてだった。温厚な母が鬼の形相と言わんばかりに怒りを表現する。そしてしきりに『この事は忘れなさい』という。


そして翌日、何事も無かったように私たちは学校に向かう。7時30分一番乗りのはずだと思い職員室に鍵を取りに行くと鍵がない。誰かがもう居るらしい。

「早起きなやつが居るもんだなー」とのんきに教室に向かうと教室に居たのはBだった。いつも遅刻ギリギリのBが?珍しいと思ったが、丁度いい昨日の続きを聞こう。そう思い話しかける

『昨日あれからどうだった?何か面白いものあった?』『…』Bは何も答えなかった

『先に帰ったこと怒ってる?ごめんて怖くてさー』

『うんー』心ここに在らずといった態度

「Aに聞けばいっか」と思った私は話を切りあげ自分の席に戻る。CとDが登校し「Bについて話す」が2人や、ほかの友人にも同じような返事らしい。

そして8時30分朝の会が始まるチャイムが鳴るがAがまだ来ていない。Aはバカだが学校が好きで30分前くらいに登校するはず。

(ガラガラ)扉を開け入ってくる先生に私は質問をする。『Aは今日休みですか?』先生は答える

『あぁ、その事だが先生も急に聞かされたんだがAは転校することになったらしい』

「え?」誰もそんな話を聞いたことは無いし、あのバカが秘密にできるわけが無い。

昨日みんなで遊んだ時に言うはず…朝の会終了後皆でBを問い詰める。Bは『知らない』の一点張りだった。


学校が終わり家に帰り母に話した。『Aが急に転校した。Bの様子が変。2人はマンションの地下に行った。あそこには何があるのか?』母の答えは一つだった

『忘れなさい。Aの事もマンションの事も今後Bとは距離を置きなさい』

小学校の間は付かず離れず「クラスメイト」としてBとは接した。中学は皆最寄りの所に行くはずだったがAはもちろん、Bの姿もそこにはなかった。

そしてつい先日までこの事を私は忘れていた。なぜ思い出したのか分からないが、夢や妄想が混ざってるのかもしれないと思い母に話してみた。『忘れた方がいい』母の答えはこうだった。

マンションはもう取り壊されており今は2階建てのアパートになっている。そのうちの1室にBが住んでいるとかいないとか。

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